秋から冬にかけて、肌が乾燥してかゆみを感じる方も多いのではないでしょうか。
乾燥や皮膚の状態によっては、こまめなケアや治療が必要となる場合があります。
本記事では、乾燥性皮膚炎の概要や発症しやすい部位、日常で行えるスキンケアについてなどを解説していきます。
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乾燥性皮膚炎とは
乾燥性皮膚炎は、「乾燥性湿疹」や「皮脂欠乏性湿疹」などとも呼ばれ、秋から春先までの乾燥しやすい時期に起こる病気です。
皮膚が乾燥している状態が続くと、炎症をおこしたり、強いかゆみや湿疹、水ぶくれを併発したりすることで、乾燥性皮膚炎へと移行していきます。
皮膚がサメ肌のようにざらざらしたり、乾燥した皮膚がフケのようにパラパラと剥がれ落ちたりすることもあります。
主な原因は、加齢と洗いすぎによるものです。
加齢とともに、皮膚から分泌される脂の量が減っていくため、40代あたりから発症しやすくなるといわれています。
また必要以上に体を洗ってしまうと、皮膚が乾燥しやすくなるため、年代関係なく発症します。
発症しやすい部位
乾燥性皮膚炎は、乾燥しやすいところに発症しやすい傾向にあります。
個人差はありますが、脚のすねや脇腹にできやすいといわれています。
乾燥肌との違い
乾燥肌とは、「ドライスキン」や「乾皮症」とも呼ばれ、肌が乾燥によってカサカサしたり突っ張ったりするような状態です。
その状態が継続して悪化すると、乾燥性皮膚炎になっていきます。
つまり乾燥肌は、乾燥性皮膚炎の一歩手前の状態です。
乾燥肌は保湿剤を徹底して塗っていくことで改善が可能ですが、乾燥性皮膚炎は保湿剤のみでは治癒しません。
アトピー性皮膚炎との違い
アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下した結果、様々な刺激に反応して起きる炎症です。
アレルギー反応の1つとして分類されます。
乾燥性皮膚炎は、乾燥によるものが起因であり、アレルギー反応ではないことが大きな違いです。
アトピー性皮膚炎についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
併せてご覧ください。
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脂漏性皮膚炎との違い
脂漏性皮膚炎とは、皮脂腺の多い皮膚の部分に慢性の炎症が起きて、脂っぽいフケのようなものが落ちる皮膚炎です。
乾燥性皮膚炎と大きく異なるのは、落ちたフケがベタベタするということです。
日常生活で行えるスキンケア
日常生活で行えるスキンケアとして、一番は乾燥を防ぐということです。
皮膚が乾燥をしないように、ボディクリームや化粧水などの保湿剤を、1日に2回塗りましょう。
皮膚の脂が適度にあると、皮膚のバリア機能を最大限に発揮できますが、1日2回以上体を石鹸で洗うと脂を落としすぎてしまい、乾燥につながります。
体を洗うときにもゴシゴシ洗わないようにしましょう。
乾燥性皮膚炎と診断されたら、その部分はナイロンタオルやスポンジなどは使わず、石鹸をしっかり泡立てて、泡で優しく撫でるように洗ってください。
入浴直後は、肌が乾燥しないうちに保湿剤を塗るようにしましょう。
また、部屋が乾燥をしていると皮膚も乾燥しやすくなるため、加湿をすることがおすすめです。
乾燥性皮膚炎の治療・処方薬
乾燥性皮膚炎かどうかは個人で判断せず、まずは皮膚科を受診するようにしましょう。
他の皮膚炎との鑑別をし、それぞれにあった治療法を正しく行うことが大切です。
乾燥性皮膚炎の治療には、皮膚を乾燥させないことが第一です。
市販の保湿剤や、ヘパリン類似物質軟膏などが選択されます。
そのうえで皮膚が赤く炎症を起こしているときや、かゆみを感じる時には、皮膚科でステロイド軟膏を処方されることがあります。
処方された軟膏は、医師の指示通りの頻度で使用し、適切な量を塗っていくようにしましょう。
また、皮膚の脂が足りないからといって、脂っこい食べ物を多く食べても改善にはつながりません。
むしろ別の病気を併発してしまう可能性があります。
免疫力を高め、皮膚の治癒を促すためにも、食事は栄養バランスの整ったものを取るようにしましょう。
処方された軟膏は継続的に使用しましょう
乾燥性皮膚炎についての基本や、他の皮膚炎との違いや対処法について、解説してきました。
受診の結果、保湿のもの・皮膚を治癒させる成分が入っているもの、どちらの軟膏が処方されたとしても、治療を行うには継続的に塗り続けることが大切です。
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参考文献
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- アレルギーポータル(厚生労働省補助事業)「アトピー性皮膚炎」