実は予備軍の方は多い!?骨粗しょう症の検査内容と治療法を解説

骨のトラブルの1つとして、高齢化に伴って発症しやすくなるのが「骨粗しょう症」です。
合併症を防ぐためにも、早めの対策が重要となります。
本記事では、骨粗しょう症の概要、検査や診断の内容、予防法や治療法について解説していきます。

骨粗しょう症とは

骨粗しょう症とは、骨がもろくスカスカになっている状態のことです。
骨は本来、その強さを維持するために、一定量の骨が破壊(骨吸収)されて再生される状態を繰り返すことで、常に新しくなるようになっています。
しかし、破壊と再生のバランスが崩れ、骨が破壊される量に対して再生される量が追いつかない状態が続くと、骨量が次第に減少していき、骨がもろくなった状態が骨粗しょう症です。

スカスカになった骨は体の重みに耐えきれなくなり、しまいには圧迫骨折(骨が圧縮されるように折れた状態)を引き起こします。
一度圧迫骨折になると元には戻らず、身長が縮み、背骨の形が変わってしまうことが特徴です。
形が変わった骨が周りの神経などを圧迫すると、どんな状態や体勢でも痛みを感じ続ける状態となってしまいます。
そのため、骨粗しょう症にならないための対策を早めに行うことが大切です。

骨粗しょう症の種類

骨粗しょう症の種類には、原発性(自然に発生するもの)と続発性(別の病気や薬が原因となるもの)に大きくわけられますが、多くの場合は原発性であるといわれています。
主な原因としては、栄養素(カルシウム・ビタミン)の不足・運動不足・女性ホルモンの不足が挙げられます。

骨粗しょう症は、特に女性に発症しやすいです。
女性ホルモンに含まれる「エストロゲン」には骨の再生を活発にする働きがありますが、閉経とともにそれが大幅に減少することで、再生が促されない状態になるためです。

以下では、年齢ごとの骨粗しょう症の特徴についてまとめました。

70代~(高齢者)

高齢者になると男女関係なく、骨の再生能力が落ちていきます。
全身の筋肉量も加齢とともに落ち、運動時のバランスがとりにくくなることで転倒リスクが高まることも相まって、多少の衝撃や転倒で骨折しやすくなってしまいます。

40代~(中年者)

骨密度が減少しはじめるのが、40代からであるといわれています。
必要な栄養素がとれていないと、骨粗しょう症となるリスクが高まります。

若い女性

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時折、若い女性でも骨粗しょう症を発症します。
原因としては、見た目を気にしすぎて過度なダイエットをすることであり、社会的な問題としても提起されています。
過度なダイエットによって、必要な栄養素が摂取できていない状態が続き、ストレスがかかると自律神経が乱れ、骨が再生する能力が落ちていくためです。
20代までのうちに必要な栄養素が取れていない状態が続くことで、十分な骨量を保てなくなり、将来的に骨粗しょう症を起こしやすくなります。

骨粗しょう症の検査・診断

ここでは、骨粗しょう症の検査と、実際に診断されるまではどのような流れなのかを紹介していきます。

検査の流れ

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一般的には、骨密度検査を行います。
骨密度とは、骨がどのくらい強いかを表すもので、カルシウムなどのミネラル量を測ります。
女性は特に症状がなかったとしても、40歳を過ぎたら定期的に骨密度を測ることがおすすめです。
また、血液検査と尿検査で骨代謝マーカーを調べることができ、骨の新陳代謝の速度がわかります。
他の検査とも併用し、レントゲン検査にて骨粗しょう症がないか、骨折や変形が無いかを調べます。

診断基準

骨密度と骨折の有無で診断されます。
骨粗しょう症による骨折は、本人が痛みなどを自覚しないままにわずかな外力で生じる「脆弱性骨折」の可能性があるのが特徴です。

  • 脆弱性骨折がある場合:背骨または足の付け根の骨折、かつ骨密度が成人の80%以下
  • 脆弱性骨折がない場合:骨密度が成人の70%以下

骨粗しょう症の予防

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骨粗しょう症の予防には、カルシウムやビタミンなどを含む栄養バランスの良い食事を3食とること、適度な運動が大切です。
運動をすることによって、骨に適度な圧力がかかり、骨の新陳代謝が促されます。
また、骨粗しょう症になりにくい体をつくるために、骨が成長する思春期や20代の時期は、特に栄養バランスに気を遣うことが大切です。

骨粗しょう症の治療・処方薬

一度下がってしまうと上げることができないのが、骨密度の特徴です。
そのため骨密度の低下を抑え、骨折の原因となるものをできるだけ避けるように勧められます。
処方薬の内服にて骨密度のさらなる低下を抑え、同時に食事両方や運動療法も実施して骨の再生を促せるように、生活習慣を変えていきましょう。

処方薬

骨粗しょう症の処方薬は、大きく分けて3種類あります。

  • 骨吸収を抑える薬:ビスホスホネート製剤、女性ホルモン製剤など
  • 骨の再生を促進する薬:活性型ビタミンD3製剤、ビタミンK2製剤など
  • その他:カルシウム製剤(栄養を補うため)

1日も早く生活習慣を見直すことが骨粗しょう症を防ぐ

骨粗しょう症とは何か、検査や診断、予防法や治療法について解説してきました。
診断を受けた場合に、食事や運動などの生活習慣を整えることも大切ですが、医師からの処方薬は必ず飲み、今の骨密度より低くさせないことが治療には欠かせません。
確実に内服薬を受け取るためにも、配達サービスを利用していくことも1つでしょう。

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参考文献
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」
  • 公益財団法人 日本整形外科学会「骨粗鬆症(骨粗しょう症)」