糖尿病とはどのような疾病?症状・合併症・予防法・処方されるお薬

「肥満の人がなりやすい」というイメージがある糖尿病ですが、必ずしも肥満の人だけがなる疾患ではありません。
肥満体型ではないのに健康診断で「血糖値が高い」と指摘されたことがある方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、糖尿病とは何か、また治療法や予防・対策について解説していきます。

糖尿病とは

糖尿病とは、血糖値(血液中のブドウ糖の濃度)が高い状態が継続することで発症する疾患です。
人間は食事を摂ると腸からブドウ糖を吸収し、血液中を流れていくと膵臓から「インスリン」が分泌されます。
インスリンの作用により血液中のブドウ糖を細胞内に取り込むことで、筋肉を動かしたり脳を働かせるためのエネルギー源として利用されます。
しかし何らかの影響により、インスリンが足りなくなったり効かなくなると、ブドウ糖を細胞内に取り込めなくなり、血糖値が高い状態が継続して合併症を引き起こします。
血糖値は食前の値を基準にし、正常であると70〜100mg/dlの範囲内であると言われていますが、糖尿病の場合はそれを逸脱する高い値が出ます。

糖尿病には、大きく3種類に分けることができます。

糖尿病の症状①:1型糖尿病

1型糖尿病は、自己免疫疾患などが原因で膵臓の機能が落ちてしまい、インスリンが出なくなってしまう状態になります。
詳しいことはわかっていませんが、生活習慣や年齢や体格にかかわらず発症します。
発症した場合、インスリンの自己注射が必要です。

糖尿病の症状②:2型糖尿病

2型糖尿病は、遺伝的な要因に加え食べすぎや運動不足などが重なることで、インスリンによってブドウ糖を細胞に取り込む能力が落ち、インスリンそのものが出にくくなってしまう状態になります。
主に生活習慣が原因だと指摘されており、糖尿病と診断される人の多くは2型糖尿病です。
治療には、その人の糖尿病の進行状態をみながら、様々な指導や指示が行われます。

その他の症状

1型と2型以外には、妊娠糖尿病とその他の糖尿病に分けられます。
妊娠糖尿病とは、妊娠前には糖尿病ではなかった方が一時的になる疾患で、妊娠によりインスリンが効きにくくなることが原因です。
その他の糖尿病には、先天性の膵臓の疾患によるもの、がんによるもの、薬の影響によるものなどがあります。

糖尿病の合併症

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糖尿病そのものには、自覚症状がありません。
血糖値が大幅に高いと、喉が渇いて水分を大量に飲んでしまう・尿の量が多くなる・疲れやすくなる・体重が減るなどの症状が出ます。

細い血管に起こる合併症

糖尿病が進行すると、まず細い血管から影響が出るといわれています。
特に、目の網膜や腎臓や神経を障害することで、糖尿病性網膜症・糖尿病性腎症・糖尿病性神経障害の、いわゆる「三大合併症」を引き起こします。

太い血管に起こる合併症

血糖値が高い状態が継続すると、血管を破壊していき動脈硬化を引き起こします。
動脈硬化とは、血管が硬くなって弾力性がなくなって、血管壁が分厚くなる状態です。
動脈硬化になると特に心臓や脳に影響があるといわれており、心不全や脳卒中を引き起こします。

その他の合併症

糖尿病を放置していると、動脈硬化により手足の血流が悪くなって壊死(組織の一部が死んでしまう)することで切断を余儀なくされたり、腎臓が機能しなくなって透析し続けないといけない状態になります。

糖尿病の予防・対策

糖尿病の予防のためには、食生活を整えることと適度な運動が必要です。
また、タバコを吸うことによって糖尿病のリスクが高まるともいわれています。

適切な食事

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普段の食事は、必要なカロリー以上を摂りすぎないことが一番大切です。
野菜・大豆製品・海藻などを多く摂り、栄養バランスの良い食事を意識しましょう。

詳しくは、こちらの記事をご参照ください。
【関連記事】
血糖値を下げる食生活について知ろう!日常生活で気をつけるポイントと食事プラン

適切な運動

適切な運動をして脂肪を燃やすことにより、インスリンの効き目が正常に戻ってきたり、脂質の代謝が改善することで、血糖コントロールができるようになり、糖尿病が改善するといわれています。
有酸素運動(ウォーキング・ジョギング・水泳など)を週3日程度で20分以上行うようにしましょう。

糖尿病の治療・処方されるお薬

糖尿病の治療は、食事療法・運動療法・薬物療法の3大柱が大切です。
薬を飲んでいれば良いというものではなく、生活習慣の改善をすることが、糖尿病の治療では特に大きな鍵となります。

生活習慣の改善

先ほどの予防・対策でも紹介しましたが、適切な食事と適切な運動を意識し、生活習慣を改善する必要があります。
糖尿病と診断された場合には、塩分量やタンパク質量などが具体的に指摘され、さらにきつい食事制限となります。

薬物療法

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薬物療法で使われる薬には、以下の3種類に分類され、糖尿病やほかの生活習慣病の状態を考慮して処方される薬が変わっていきます。
主に、内服薬またはインスリンの自己注射をするように医師から指示されますが、インスリンの自己注射をするからといって一概に糖尿病が重いとはいい切れません。

  • インスリン分泌を補助する薬
  • インスリンの抵抗性に働きかける薬
  • 糖の吸収と排泄をコントロールする薬

糖尿病と関連する合併症について理解を深めましょう

糖尿病とは何か、また治療法や予防・対策について、解説してきました。
糖尿病によって一度悪くなった膵臓の機能は完全には完治しないため、薬物療法をしていく必要があります。

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参考文献
  • 厚生労働省・e-ヘルスネット「糖尿病」
  • 厚生労働省・e-ヘルスネット「糖尿病(とうにょうびょう)」
  • 厚生労働省・e-ヘルスネット「血糖値」
  • 厚生労働省・e-ヘルスネット「高血糖(こうけっとう)」
  • 厚生労働省・e-ヘルスネット「糖尿病を改善するための運動」
  • 国立研究開発法人・国立循環器病研究センター「糖尿病とは」