日本人に多い高血圧とは?原因・予防法・処方されるお薬について解説

自覚症状はないものの、健康診断などで「血圧が高い」と指摘されたことはありませんか?
高血圧は日本人にとって、生活習慣病の最大のリスク要因だといわれています。
本記事では、高血圧とはなにか、またその予防法と、処方される薬について解説していきます。

高血圧とは

高血圧とは、安静時でも血圧が高い状態が続いていることです。
収縮期血圧(いわゆる「上の血圧」)が140mmHg以上、または拡張期血圧(いわゆる「下の血圧」)が90mmHg以上の場合に指摘されます。
高血圧が進行して動脈硬化になると、心不全や脳卒中、認知症になりやすくなるといわれています。

高血圧患者の状況

高血圧は全体的には、女性よりも男性のほうが疾患を持っている人が多い傾向にあります。
日本では、40〜74歳の男性の60%・女性の41%、75歳以上の男性の74%・女性の77%が高血圧だと診断されています。

高血圧の原因

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高血圧の原因には、二次性高血圧と本態性高血圧の2種類に分類することができます。

二次性高血圧

二次性高血圧とは、睡眠時無呼吸症候群や、甲状腺や副腎などに疾患があったり、薬の副作用などが原因で血圧が高くなっている状態を指します。
原因が特定できるため、外科手術や薬の変更によって治療することができます。

本態性高血圧

二次性高血圧に対し、具体的な原因が特定できないものが本態性高血圧です。
「高血圧」と診断される人の90%が、本態性高血圧であるといわれています。
原因には、遺伝的要因や生活習慣によるものが指摘されています。

高血圧の予防・対策

生活習慣病ともいわれているのが本態性高血圧であり、予防や対策をとることができます。

塩分摂取量を制限する

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日本人の食生活は、塩分が多くなりやすい傾向にあるといわれています。
塩分を摂りすぎると、身体の中の電解質バランスをとるために水分を蓄積させていくことで、血圧が上がります。
そのため、塩分摂取量の制限が効果的です。
正常な人の塩分摂取量は1日8g未満、高血圧の方は6g未満が目標値となります。
醤油やソースなどの塩分量の高いものはなるべく控え、薄味にすることを意識しましょう。

栄養バランスの整った食事

野菜や大豆製品に含まれるカリウムは、血液中の塩分を排泄する役割があるため、食事に取り入れるようにして、栄養バランスの整った食事を意識しましょう。
医師からカリウムの摂取量を制限するようにいわれている人は、その量を守るようにしてください。

適切な運動をする

運動をすることによって、血管を健康に保ち、血圧を下げたり高血圧を予防することができるといわれています。
ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を、できれば毎日30分以上行うことが、運動の目安です。

高血圧の治療・処方されるお薬(降圧薬)

高血圧と診断されたときには、食事療法・運動療法・薬物療法が三大柱になります。

生活習慣の改善

先ほどの高血圧の予防・対策でも紹介しましたが、適切な食事と適切な運動が効果的です。
食事摂取の中でも、塩分の摂取量は必ず守るようにしましょう。
また、暖かいところから急に寒いところに移動をすると血圧が上がり、特に入浴では血圧が乱高下するため、高血圧の方ほど急性心不全などの突然の疾患になりやすいといわれています。
なるべく気温差が無いように調整をしましょう。
ストレスが溜まっている状態でも血圧が上がるといわれています。
十分な睡眠と休息をとり、ストレス発散につとめるようにしましょう。

薬物療法

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高血圧には、血圧を下げる薬が用いられますが、生活習慣の改善や治療によって高血圧が改善し、薬の量が減ったり薬を飲まなくてよくなることがあります。
治療開始時や治療が変わった時には、効果や副作用を確認するため、1〜4週間のこまめな受診をするようにしましょう。
ただし、自覚症状がないからといって、自己判断でやめないようにしてください。

薬の種類には以下の5種類があります。

  • Ca拮抗薬(血管を広げて血圧を下げるもの)
  • ARB(血圧を収縮する効果を弱めるもの)
  • ACE阻害薬(血圧を上げる効果を弱め、血圧を下げる効果を強めるもの)
  • 利尿薬(尿として水分とナトリウムを排泄して血圧を下げるもの)
  • β遮断薬(心臓の過剰な働きを抑えて血圧を下げるもの)

年齢が進むにつれて高血圧のリスクは高まる

高血圧とはなにか、またその予防法と、処方される薬について解説してきました。
血圧を下げる薬にはさまざまなものがありますが、どの薬がその人に合うのかには個人差があるため、効果がなかったり効きすぎてしまう場合があります。

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参考文献
  • 厚生労働省・e-ヘルスネット「高血圧」
  • 厚生労働省・e-ヘルスネット「栄養・食生活と高血圧」
  • 厚生労働省・e-ヘルスネット「高血圧を改善するための運動」
  • 国立研究開発法人 国立循環器病研究センター「高血圧」