咳止めの処方薬と市販薬の違いを知っておこう。即効性は期待できる?

咳止め 処方薬

咳がなかなか止まらなかったり、咳で眠れなかったりして困った経験をしたことはありませんか?
咳の原因はさまざまあるため、症状に合わせた薬を選ぶことが大切です。

本記事では、咳の原因や咳止め薬の種類、処方薬と市販薬の違いなどについて解説していきます。

咳の原因

咳の原因は、種類によって異なります。
咳は、外から入ってきた異物を気道から体の外へ排出するための生体防御反応です。気道内に異物が入ると、気道の粘膜表面にある咳受容体が反応し、その異物の情報を脳の咳中枢に伝えます。
情報を受け取った咳中枢から、呼吸をつかさどる筋肉に指令を送ることで咳が起こるります。

咳には、「湿性咳嗽」と「乾性咳嗽」の2種類があります。

湿性咳嗽(しっせいがいそう)

湿性咳嗽は、痰を伴う咳のことで、「ゴホゴホ」や「ゼロゼロ」といった音がします。
異物による炎症で分泌された痰を、体の外へ出そうとして起こる反応です。
湿性咳嗽の原因は、ウイルスや細菌による感染症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支喘息などがあります。

乾性咳嗽(かんせいがいそう)

乾性咳嗽は、「コンコン」という痰がからまない乾いた咳のことです。
気道が炎症を起こしたり、過敏に反応したりすることで起こります。
乾性咳嗽の原因には、アトピー咳嗽、咳喘息、胃食道逆流症、感染症後の過敏反応などが挙げられます。

咳を緩和させる方法

咳が止まらないと、睡眠不足になったり体力を消耗したりして、体調の回復が遅れることがあります。
ここでは、つらい咳の症状をやわらげるためのセルフケアを2つご紹介します。

飲み物の摂り方を工夫する

のどが乾燥すると刺激を受けやすく、咳が出やすくなります。
こまめに飲み物を摂り、のどを乾燥させないようにしましょう。
また、水分を摂ると痰の粘り度合いが薄くなり、体の外へ排出しやすくなります。
水分摂取するときは、冷たい飲み物にすると気道を刺激してかえって咳が出やすくなるため、温かい飲み物をおすすめします。

のど飴を試してみる

のど飴は、医薬品、医薬部外品、食品の3つに分類されています。
含まれる成分や効果が異なるため、目的に応じて使い分けましょう。

医薬品のど飴は、気管支を広げて咳を鎮めたり痰の切れを改善したりする成分などが含まれています。
医薬部外品のど飴には、のどの痛みや炎症を鎮める殺菌成分が含まれており、咳の予防に効果的です。
食品のど飴に有効成分は含まれていないものの、のどを潤すことで乾燥対策ができます。

咳止め薬の種類

咳止め薬は、作用する場所によって「中枢性鎮咳薬」と「末梢性鎮咳薬」の2種類に分けられます。
咳の原因や種類に応じて、咳止め薬を使い分けると効果的です。

中枢性鎮咳薬

中枢性鎮咳薬は、脳にある咳中枢に直接働きかけて咳反射を抑える薬で、乾性咳嗽に使われます。麻薬性と非麻薬性の2種類があります。

麻薬性中枢性鎮咳薬の成分には、コデインやジヒドロコデインなどがあり、作用は強力ですが、便秘や眠気の副作用が起こりやすいです。
また長期連用や大量服用により依存性が生じやすくなります。
麻薬性中枢性鎮咳薬は12歳未満の小児に使用できません。

非麻薬性中枢性鎮咳薬の成分には、デキストロメトルファンやチペピジンなどがあり、麻薬性と比べると作用は穏やかで、便秘や眠気の副作用は少ないです。

末梢性鎮咳薬

末梢性鎮咳薬は、気道や肺で咳を起こす刺激を軽くする薬です。
痰がからむ湿性咳嗽に対して使われます。
症状に合わせて、気管支を広げる薬や痰の切れを改善する薬、漢方薬などを使用します。

咳止めの処方薬と市販薬の違い

咳止めの処方薬と市販薬の違いには、以下の2つがあります。

  • 処方薬のほとんどは1つの成分で構成されているが、市販薬は複数の成分で構成されたものが多い
  • 一部の成分は処方薬のみで使用される

咳止めの処方薬と市販薬にどのようなものがあるかみていきましょう。

代表的な処方薬

処方薬では、咳や痰の症状に応じて以下の薬が使用されます。
中枢性鎮咳薬と末梢性鎮咳薬を併用することもあります。

  • 麻薬性中枢性鎮咳薬(配合剤も含む):コデインリン酸塩、フスコデ配合錠
  • 非麻薬性中枢性鎮咳薬:メジコン(デキストロメトルファン)、アスベリン(チペピジン)、アストミン(ジメモルファン)
  • 末梢性鎮咳薬:ムコダイン(カルボシステイン)、ムコソルバン(アンブロキソール)、メプチン(プロカテロール)、ベラチン(ツロブテロール)、麦門冬湯エキス

代表的な市販薬

市販薬は、咳止めや痰切りなどの成分を複数組み合わせてあるため、症状に合った薬を自分で選ぶ必要があります。

  • 麻薬性中枢性鎮咳薬を含む市販薬:アネトンせきどめ錠、パブロンせきどめ
  • 非麻薬性中枢性鎮咳薬を含む市販薬:メジコンせき止め錠Pro、新コンタックせき止めダブル持続性
  • 末梢性鎮咳薬を含む市販薬:クールワン去たんソフトカプセル、クラシエ漢方五虎湯エキス顆粒A、ツムラ漢方麦門冬湯エキス顆粒

妊娠中に使用できる咳止め薬

咳の重症度に応じて、デキストロメトルファンや漢方薬の麦門冬湯などを使用することがあります。
ただし、妊娠週数によってはお腹の赤ちゃんに影響が及ぶことがあるため、自己判断で市販薬を使用するのは控えてください。
咳が止まらなくなると子宮が刺激されることで、お腹が張りやすくなります。
咳の症状があるときは、早めに産婦人科の主治医に相談しましょう。

咳の種類に応じた薬を選ぶことが重要

咳止めの薬は、湿性咳嗽か乾性咳嗽かにより選ぶ基準が異なります。
咳の種類に合っていない薬を服用すると、症状が悪化する可能性があります。
複数の成分で構成されている市販薬は、本来であれば不要な成分が含まれていることがあるため注意が必要です。
咳がなかなか改善しない場合は、医療機関への受診をおすすめします。

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処方された薬についてはオンラインで薬剤師から説明を受けられるため、ネット環境がある場所であれば、どこからでも処方薬について問い合わせることができます。
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参考文献
  • 独立行政法人 環境再生保全機構「長引くせきの原因はなに?」
  • 公益財団法人長寿科学振興財団 健康長寿ネット「喀痰・咳嗽(かくたん・がいそう)」
  • 公益財団法人 日本薬学会「咳止め」
  • MSDマニュアル プロフェッショナル版「成人における咳嗽」