カロナールとロキソニンの特徴。同じ解熱鎮痛剤でも効果は違う?

様々な解熱鎮痛薬があるなかで、カロナールとロキソニンは代表的なものといえます。
特に、カロナールは流行の感染症に対して和らげる効果があるなど、報道により大きく名前が知れ渡るようになりました。
しかしながら、カロナールとロキソニンの違いについてイマイチ理解できていない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、カロナールとロキソニンの特徴と違いについて解説していきます。

カロナールとロキソニンの特徴

ここでは、カロナールとロキソニンの基本的な特徴について紹介していきます。

カロナール

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カロナールは、あゆみ製薬株式会社が製造販売を行っている薬であり、薬効成分はアセトアミノフェンです。
用量に応じて1錠あたり、200mg・300mg・500mgがあります。

ロキソニン

ロキソニンは、第一三共ヘルスケア株式会社が製造販売を行っている薬であり、薬効成分にはロキソプロフェンナトリウム60mgが含まれています。

カロナールとロキソニンの違い①:薬効成分の作用

カロナールとロキソニンの違う点は、そもそも薬効成分が異なるということです。

カロナール(アセトアミノフェン)

カロナールに含まれるアセトアミノフェンは、あまり多くのことは解明されていませんが、脳の中枢神経に作用していることがわかっています。
脳の視床下部に体温調整を司る部分があり、アセトアミノフェンがここに働きかけることで末梢血管を広げて体温を下げます。
また、発熱や痛みの原因となる「プロスタグランジン」という物質をつくらせないように、脳の中枢に働きかけることで、熱や痛みを抑えることができます。
熱や痛みの度合いにもよりますが、基本は1日で4回程度までにおさえ、薬効が切れて再び飲む場合には前回の服用から少なくとも4時間はあけるようにしましょう。
アセトアミノフェンには肝障害の副作用があり、肝臓の病気を持っている方は悪化する可能性があるため使用することができません。

ロキソニン(ロキソプロフェンナトリウム)

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ロキソニンに含まれるロキソプロフェンナトリウムは、胃に入った時点では効果は出ません。
消化の過程のなかで腸から体内に吸収され、肝臓を通るときに代謝を受けて、初めて薬効を発揮します。
カロナールにある解熱作用・鎮痛作用に加えて、抗炎症作用があることが特徴です。
薬効を発揮するまで、薬を飲んでからおおよそ30分ほどであるといわれています。
症状にもよりますが、基本は1日に3回まで服用可能であり、薬効が切れて再び飲む場合には前回の服用から少なくとも4時間はあけるようにしましょう。
NSAIDsには副作用として胃腸障害・腎障害があり、もともと胃腸が弱い方や、腎臓の病気を持っている方は悪化してしまう可能性があるため、使用することができません。

カロナールとロキソニンの違い②:入手できる場所

カロナールとロキソニンが入手できる場所が異なります。

カロナール

カロナールは医師による診察と処方が必要であるため、市販薬で入手することはできません。
市販薬で入手したい場合には、これから解説する「カロナールとロキソニンの市販薬」項をご参照ください。
ただし市販薬を入手するよりも、医師の診察によって処方されたカロナールの方が、保険適用により安く手に入れることができます。

ロキソニン

ロキソニンは、登録販売者のいるドラッグストアで購入することができます。
ただし医師の診察があれば、ロキソプロフェンナトリウム錠60mg(日医工株式会社ほか)を処方することができ、ドラッグストアでロキソニンを買うよりも、保険適用により安く手にいれることができます。

カロナールとロキソニンの市販薬

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カロナールとロキソニンの市販薬について紹介していきます。
市販薬は、長持ちをさせるために添加物が入っていたり、薬効成分のみではなく他の薬効成分が含まれているものもあります。
他の薬と併用する場合には、薬効成分が重ならないか・成分どうしで薬効を打ち消しあうことはないかなど、飲み合わせを確認する必要があるため、薬剤師に相談しましょう。

カロナール

カロナールには市販薬がありません。
代わりに、アセトアミノフェンが含まれる市販薬には以下のものがあります。

  • タイレノールA(東亜薬品株式会社):アセトアミノフェン300mg/錠含有
  • ラックル(日本臓器製薬株式会社):アセトアミノフェン300mg/錠含有
  • バファリンルナJ(ライオン株式会社):アセトアミノフェン100mg/錠含有
    (バファリンの他のシリーズは違う成分が混ざっており、アセトアミノフェンだけが含有しているのはバファリンルナJのみです)

ロキソニン

ロキソニンシリーズはすべて第一類医薬品であるため、登録販売者がいるドラッグストアで購入することができます。
他製薬会社でロキソプロフェンナトリウム含有の市販薬は以下のものもあります。

  • ロキソプロフェン錠「クニヒロ」(皇漢堂製薬株式会社):ロキソプロフェンナトリウム60mg/錠含有
  • ナロンLOXY(大正製薬株式会社):ロキソプロフェンナトリウム60mg/錠含有

悩んだ場合は調剤薬局で相談をしましょう

カロナールとロキソニンの特徴と違いについて解説してきました。
それぞれの効果や作用、また同じ商品でもシリーズによって含有している成分は異なるため、症状や状況によってどれが適切かが変わります。
悩んだ際には、調剤薬局で相談をするとよいでしょう。

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参考文献
  • 厚生労働省「市販の解熱鎮痛薬の選び方」