顔つきや話し方に特徴がある?統合失調症の基準やうつ病との違いを理解しよう

心の病気である統合失調症は、考えや言動が急におかしくなり、それが故に差別を受けてきた歴史があります。
誰でも発症する可能性があり、周りの人間が発症したときのためにも基本知識については、全員が把握しておきたいところです。
本記事では、統合失調症の概要、症状の特徴や基準、治療法について解説していきます。

統合失調症とは

統合失調症とは、脳の働きの誤作動によって、考えや気持ちがまとまらなくなってしまう心の病気です。
若い人に発症しやすく、100人に1人が持っているため、非常に珍しい病気というわけではありません。
統合失調症の原因は解明されておらず、研究途上にあります。

うつ病との違い

うつ病とは、脳内の伝達物質である「セロトニン」や「ノルアドレナリン」が減ってしまうことで、無気力や憂うつを感じる病気です。
うつ病の原因は判明しているのに対して、統合失調症は原因が不明であるということが大きな違いです。
人から見た症状も、うつ病は陰性症状がメインで、食欲や睡眠の乱れなどの身体症状が現れることに対して、統合失調症は陽性症状がメインで現れて人間関係に影響を及ぼします。

統合失調症と診断される基準

prescription-medicine_No.32-02.jpg

統合失調症で特徴的なのが、陽性症状である幻覚と妄想が現れることです。

幻覚とは、実在しないものを見たり聞いたりして感じる現象で、特に自分の悪口が聞こえる幻聴などが統合失調症ではよくある症状です。
妄想とは、明らかに間違っている事柄なのに、自分では訂正できない強い思い込みのことです。
周りからいやがらせをされているという被害妄想や、テレビやネットで自分に関する悪い噂を流しているという関係妄想など、人によって様々な症状が出現します。

統合失調症の特徴1:話し方

考えや気持ちがまとまらなくなるため、話が支離滅裂であり、言いたいことがおさまらなくなると早口になっていくことが特徴です。
応答するのに時間がかかるようになると、会話のテンポもかみ合わなくなります。
また幻覚や妄想からくる架空のことを語るようになり、症状が進行してくると幻覚や妄想を強く思い込み、混乱や興奮がおさまらなくなっていきます。
この時に、援助者は相手を否定しないように接することが大切です。
最後まで口を挟んだり否定せずに、すべて聞くようにしましょう。

統合失調症の特徴2:顔つき

幻覚や妄想によって、突然笑ったり怒り出したりすることがあります。
一方で意欲の低下や感情表現が少なくなるなどの、陰性症状があることも特徴です。
よって、表情の変化が乏しくなり、無表情やボーっとしているように見える顔つきになります。

統合失調症になりやすい人

prescription-medicine_No.32-03.jpg

統合失調症の発症メカニズムがはっきりしていないため、厳密にはわかりません。
しかしながら、ストレスを感じやすかったり、貯めこんでしまう人に発症が多い傾向ではあるようです。
また、遺伝的要素が関わっているのではないかという指摘もあります。

統合失調症の治療・処方薬

統合失調症の治療には、心理社会療法と薬物療法が用いられます。
また治療へのつなげ方として、本人が症状に気づいている場合は受診を促してください。
症状に気づいていない場合は、本人をだまして受診させるようなことは、不信感を助長することになりかねないため、しないようにしましょう。

心理社会療法

心理社会療法として、カウンセリングや精神科デイケアなどがあります。
統合失調症の特徴は、幻覚や妄想などの症状が出ていることを自身で認識できないということです。
病識がないゆえに、治療を途中でやめてしまったりして、再発を繰り返してしまいます。
症状の悪化を繰り返すたび、症状が治りにくくなるということも特徴です。
そのため病識が持てるように、診察でじっくり話をしたり、カウンセリングを継続して受けていくことが大切です。

処方薬

統合失調症の治療には、抗精神病薬が用いられます。
抗精神病薬は、脳内のドーパミン神経の活動を抑えることで、幻覚や妄想などの症状を改善する効果があります。
再発を予防する効果がありますが、そこまでに至るまで長期間飲み続けることが必要です。
定期的な受診で症状を観察していき、落ち着いていると判断をされたら、量を徐々に減らしていくようになります。

継続的な治療ができるようにしていきましょう

統合失調症とはなにか、症状の特徴や治療法などについて解説してきました。
再発を予防して改善を図っていくためには、継続的な治療が必要です。
内服薬も長期に渡って使用していくため、生活習慣にあった方法で確実に受け取れるようにするとよいでしょう。

とどくすりは、薬局へ行かずに処方せんの薬を宅配便で受け取れるサービスです。
処方された薬についてはオンラインで薬剤師から説明を受けられるため、ネット環境がある場所であれば、どこからでも処方薬について問い合わせることができます。
統合失調症の処方薬の受け取りには、是非とどくすりの活用をご検討ください。

参考文献
  • 厚生労働省 こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~「ヘルプノート 統合失調症」
  • 厚生労働省 こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~「統合失調症」
  • 厚生労働省 こころもメンテしよう~若者を支えるメンタルヘルスサイト~「うつ病」
  • 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 こころの情報サイト「統合失調症」
  • 国立国際医療研究センター病院 「統合失調症とは?-幻覚・妄想だけでなく多彩な症状をあらわす病気-」
  • 公益社団法人 日本精神神経学会「テーマ1: 統合失調症とは何か」