珍しい病気ではなくなった「花粉症」は、ほとんどがスギ花粉かヒノキ花粉であるといわれています。
暖冬となった年は、地域によっては1月下旬~2月上旬に花粉が飛び始めることもあるため、早めの対策が鍵となるでしょう。
本記事では、スギ花粉とヒノキ花粉の特徴、予防法と治療薬について解説していきます。
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スギ花粉の特徴と症状が出やすい時期
花粉症の患者の70%は、スギ花粉が原因であるといわれています。
スギ花粉は、全国的には毎年1月下旬~2月上旬ごろより飛び始め、3月にピークを迎えて、5月ごろまで続きます。
症状が出やすい時期は、九州が2月下旬、関東が3月初旬、東北は3月中旬ごろであるといわれています。
また、北海道は全国の中では花粉が飛びにくいエリアです。
ヒノキ花粉の特徴と症状が出やすい時期
スギ花粉に次いで2番目に発症数が多いのが、ヒノキ花粉です。
ヒノキ花粉の症状が出やすい時期は全国各地で大差なく、スギ花粉から遅れて3月初旬から飛び始め、4月にピークを迎え、6月くらいまで続きます。
スギ花粉とヒノキ花粉の予防法
花粉症の治療は内服薬のイメージが強いかもしれませんが、発症を予防するには原因となるスギ花粉やヒノキ花粉にできるだけ触れないことが前提となります。
花粉に触れないように、付着してもすぐに落とすなどのセルフケアをしていくことが大切です。
初期の対策
花粉症と疑われる症状が出たら、まずは病院に行きアレルギーの検査をしましょう。
花粉症だと思っていても、別の病気やアレルギーの可能性もあります。
それぞれの病気にあった治療薬を選択しないと効果がないため、原因を特定することが大切です。
診断を受けたら、それぞれの体質や習慣にあった治療法を検討します。
花粉症を診察できる診療科は、耳鼻咽喉科・眼科・アレルギー科などがあります。
主治医は、毎年受診して治療をすることを考慮し、通いやすい医療機関を選ぶようにしましょう。
鼻や目のケア
入り込んだ花粉症は洗い流すのが効果的です。
鼻であれば生理食塩水を使用した鼻うがい、目であれば人工涙液・洗眼液を使用した洗眼を試してみましょう。
特に鼻は、何度もかむと鼻の粘膜を傷つけてしまい、花粉に過敏になってしまいます。
そのため強くかまないようにし、柔らかいティッシュを使用するようにしましょう。
また、鼻粘膜が乾燥していると粘膜機能が低下するため、室内を加湿することや、マスクを付けることがおすすめです。
スギ花粉症とヒノキ花粉症の治療・処方薬
どちらの花粉症も、症状が出始めてからではなく、花粉が飛び始める前から対策を打っていくことが大切です。
花粉症の重症度は、1日でどのくらい鼻が詰まっているかと、くしゃみの回数または鼻をかんでいる回数がどのくらい多いか、で診断されます。
鼻が1日中詰まっている場合、くしゃみまたは鼻をかむ回数が21回以上の場合には、重症の花粉症と認められます。
花粉症の重症度によって、適切な治療法が選択されます。
薬物療法
花粉が飛散する限り、花粉症から逃れることはできません。
根本的な治療はできないため、薬物療法はすべて対症療法です。
内服薬・点鼻薬・点眼薬は、アレルギー治療薬をベースとして、重症度に併せてステロイド薬が用いられます。
アレルゲン免疫療法
アレルゲン免疫療法は「減感作療法」ともよばれ、かなりひどい花粉症の方や、薬物療法で副作用が出てしまう方が適用になる治療法です。
原因となるアレルゲンを投与して、体のアレルギー反応を弱める治療を行います。
治療には数年以上かつ頻回な通院が必要であるため、覚悟が必要な治療となります。
手術療法
手術療法は、鼻の粘膜をレーザーで凝固し、粘膜の面積を減らすことで発症を軽減させる治療法です。
術後しばらくは鼻づまりがありますが、1週間ほどで改善します。
ただし永続的な効果はなく、1年ほどで粘膜が再生するといわれているので、毎年対策をする必要があるということを知っておきましょう。
お薬の入手は早めがおすすめです
スギ花粉とヒノキ花粉の特徴、予防法と治療薬について解説してきました。
発症が時期によって左右される病気の薬は、どこの薬局に行っても在庫がなく、探し回るのに時間がかかってしまうケースがあります。
花粉が飛び始める時期を予測して、早めにお薬を入手しておくようにしましょう。
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処方された薬についてはオンラインで薬剤師から説明を受けられるため、ネット環境がある場所であれば、どこからでも処方薬について問い合わせることができます。
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参考文献
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- 厚生労働省 アレルギーポータル「アレルギーについて 花粉症」
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- 厚生労働省「花粉症 的確な花粉症の治療のために(第二版)」
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- 厚生労働省「はじめに ~花粉症の疫学と治療そしてセルフケア~」
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- 東京都保健医療局 東京都アレルギー情報navi.「東京都の花粉情報」
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- 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会「鼻アレルギー診療ガイドライン2020年版」