双極性障害とはどんな病気?症状の特徴やうつ病との違いを解説

双極性障害とはどんな病気?症状の特徴やうつ病との違いを解説

目次

気分が極端に高揚する時期と、深く落ち込む時期を繰り返す場合、双極性障害の可能性が考えられます。双極性障害はかつて躁うつ病と呼ばれていた病気で、うつ病と症状が似ているものの、治療に使う薬や向き合い方は異なります。躁状態のときは本人が調子の良さを感じやすく、病気に気づきにくい点も特徴の一つです。

本記事では、双極性障害の基本的な特徴やⅠ型・Ⅱ型の違い、うつ病との違い、代表的な症状、治療の流れを解説します。治療中に不安を感じたときの対処法や、家族として本人を支える際の向き合い方も紹介しているので、ご自身や身近な方の様子が気になる方は参考にしてください。

この記事の要約

  • 双極性障害は躁状態とうつ状態を周期的に繰り返す脳の病気である
  • 躁状態の激しいⅠ型と、軽躁状態とうつ状態を繰り返すⅡ型の2種類に大別される
  • うつ病とは治療薬が異なり気分安定薬などを中心に使用する
  • 薬物療法と生活リズムの調整を併行して長期的に治療を進める
  • 服薬変更や症状の不安がある場合は、自己判断せず主治医や薬剤師に相談する

双極性障害とはどんな病気?

双極性障害とはどんな病気?

双極性障害は、躁状態とうつ状態という両極端な気分の状態を繰り返す病気です。
ここでは、病気の基本的な特徴とⅠ型・Ⅱ型の分類、気分の波が生じる背景を解説します。

参考:双極性障害(躁うつ病)|こころの情報サイト

躁状態とうつ状態を繰り返す病気

双極性障害は、気分が極端に高揚する時期と深く落ち込む時期が交互に現れる病気です。気分の波が入れ替わる間隔は数ヶ月から数年とさまざまで、寛解期と呼ばれる落ち着いた時期を挟むケースも少なくありません。

症状を放置すると再発の周期が短くなり、社会生活に支障をきたすおそれがあるため、長期的な観察と管理が求められます。

Ⅰ型とⅡ型で躁状態の強さが異なる

双極性障害は、躁状態の程度によってⅠ型とⅡ型の2つに分類されるのが一般的です。

Ⅰ型は社会的信用を失うような激しい躁症状を伴い、入院治療が必要になる場合もあります。一方、Ⅱ型は本人や周囲が気づきにくい軽躁状態と深刻なうつ状態を繰り返すため、診断までに時間がかかる傾向にあります。

脳の働きが関係して気分の波が生じる

気分の波が生じる背景には、脳内の神経伝達物質の働きの異常が関係していると考えられています。本人の性格や意志の弱さによって起こるものではなく、生理的な要因によって症状が現れる点が特徴の一つです。

精神論で乗り越えようとせず、医療機関で専門的な治療を受ける姿勢が大切です。

参考:
双極性障害におけるミトコンドリアとセロトニンの関係―Ant1変異マウスの解析から新しい治療法の開発への道筋― | 国立研究開発法人日本医療研究開発機構

うつ病と双極性障害の主な違い

うつ病と双極性障害は、うつ状態の症状が似ているため区別しにくい病気と言われています。
病態や治療に使う薬は異なるため、ここでは主な違いを2つの観点から解説します。

参考:双極性障害(躁うつ病)|こころの情報サイト

躁状態の有無が診断の判断材料になる

うつ病と双極性障害を見分ける大きな判断基準の一つは、気分の落ち込みだけでなく高揚する時期があるかどうかです。

うつ状態の最中は両者の見分けがつきにくく、過去に軽躁状態があったかどうかの確認が診断の手がかりになります。睡眠時間が短いにもかかわらず精力的に活動できた時期がなかったかを振り返り、気になる点があれば受診時に伝えましょう。

うつ病の薬だけでは改善しにくい場合がある

双極性障害に対して一般的な抗うつ薬のみを使用すると、躁転や気分の不安定化を招くおそれがあります。

気分の波をコントロールするには、気分安定薬や多重受容体作用抗精神病薬といった双極性障害の治療に用いる薬剤を中心とした治療計画が求められます。効果を感じにくい場合でも処方を自己判断で変更せず、疑問点は主治医や薬剤師に相談しましょう。

周囲も気づく?双極性障害の代表的な症状

周囲も気づく?双極性障害の代表的な症状

双極性障害の症状は、本人よりも家族や職場の人が先に変化に気づくこともあります。
躁状態とうつ状態それぞれの代表的なサインを紹介します。

状態 代表的なサイン
躁・軽躁 睡眠時間が減っても多弁・過剰に行動する
うつ 強い無力感で日常生活や仕事が滞る

参考:双極性障害(躁うつ病)|こころの情報サイト

睡眠時間が減っても活動的に過ごす

躁状態になると、わずかな睡眠時間でも疲労を感じにくく、次々とアイデアが浮かんで行動的になる傾向があります。高額な買い物を繰り返したり、普段なら言わないような強気な発言が増えたりして、対人関係に摩擦が生じることもあります。

本人は調子が良いと感じているため、病気を自覚しにくい点が特徴の一つです。

強い無力感で行動を起こせなくなる

うつ状態に転じると、身体が重く感じられ、朝起き上がることも難しくなる場合があります。今まで楽しめていた趣味に関心が持てなくなり、将来への強い絶望感や自責の念にとらわれるケースも見られます。

思考力や集中力が低下して仕事や家事をこなすことが難しくなるため、つらい状態が続くときは一人で抱え込まず受診を検討しましょう。

双極性障害の治療の基本的な流れ

双極性障害の治療は、薬物療法と心理社会的な治療を組み合わせ、長期的な視点で進めるのが基本です。
ここでは治療の流れを3つのステップに分けて紹介します。

治療要素 目的とアプローチ
薬物療法 気分安定薬等による症状緩和と再発予防
心理社会療法 生活リズムの調整による再発予防
医療連携 主治医や薬剤師とのこまめな相談

参考:双極性障害(躁うつ病)|こころの情報サイト

ステップ1:薬物療法で気分の波を抑える

双極性障害の治療では、気分の振れ幅を小さく抑える薬物療法が中心となります。症状が落ち着いている寛解期であっても、再発を防ぐために服薬を続けることが推奨されています。

服用中の薬に関する疑問や体調の変化が生じた際は、主治医や調剤を担当した薬剤師に相談しましょう。

参考:双極性障害(双極症)2023(日本うつ病学会 診療ガイドライン)

ステップ2:生活リズムを整えて再発を防ぐ

薬物療法と並行して、就寝や起床の時間を一定に保ち、生活リズムを整えることが再発予防に役立つとされています。夜間の強い光を避けたり、過度なストレスを遠ざけたりする工夫も、脳の負担を減らす助けになります。

日々の調子の波をグラフなどで見える化し、不調のサインに早めに気づく習慣を身につけるとよいでしょう。

参考:加藤忠史先生に「双極性障害」を訊く|公益社団法人 日本精神神経学会

ステップ3:治療の悩みを主治医に相談する

薬の副作用や通院の負担といった治療上の悩みは、一人で抱え込まず専門家に打ち明けることが大切です。服用に不安がある場合は主治医だけでなく薬局の薬剤師に疑問を伝えることで、状況に合ったアドバイスを得られます。

患者さんと医療従事者が対話を重ねながら、無理のない治療計画を作り上げていく姿勢が求められます。

双極性障害の治療で不安を感じたときの対処法は?

双極性障害の治療で不安を感じたときの対処法は?

治療中に気分の変化や薬への不安を感じたときに備えて、対応の仕方を知っておくとよいでしょう。
患者さん本人や家族が取り組みやすい対処法を整理します。

対処法 実行ポイント
記録 毎日の気分や睡眠時間を記録に残す
服薬管理 症状が良くても自己判断で中断しない
受診 気になる変化があれば早めに受診する

気分の変化を日記やメモに記録する

日々の気分や睡眠時間、出来事を手帳やスマートフォンに記録しておくと、気分の波のパターンを把握しやすくなります。気分の高揚や落ち込みの兆候を早めに捉えられれば、深刻な状態になる前に対応しやすくなるでしょう。

診察時に記録を主治医に見せると状況を正確に伝えやすく、処方を調整する際の判断材料にもなります。

服薬の中断や変更を自己判断しない

症状が安定して回復したように感じても、自己判断で服薬を中止したり量を減らしたりするのは避けましょう。自己判断による中断は、急な再発や躁転を招くおそれがあります。薬の量や種類を変えたいと考えたときは、主治医や薬剤師に相談したうえで判断することが大切です。

気になる変化は早めに医療機関へ相談する

いつもと異なる気分の高ぶりや強い落ち込みを感じた場合は、早めの受診を検討するのが理想的です。

早い段階で治療を見直すことで、症状の悪化や社会生活への影響を抑えられる可能性があります。受診を迷う場合も、通院中の医療機関に連絡して対応を確認するのがおすすめです。

双極性障害の方を支える家族の向き合い方

双極性障害の治療を続けるうえでは、本人だけでなく家族の理解や見守りも支えになるでしょう。
家族が治療中の方と向き合う際に意識したいポイントを紹介します。

向き合い方 ポイント
病気の理解 性格ではなく病気による変化と捉える
見守り 気分の波や再発のサインを本人と共有する
相談先の確保 家族だけで抱え込まず医療機関などに相談する

参考:双極性障害(躁うつ病)|こころの情報サイト 

病気の特徴を家族も正しく理解する

躁状態での強気な言動や、うつ状態での無気力は、本人の性格や甘えではなく病気による変化と考えられます。

家族が病気の特徴を知っておくと、本人の言動に振り回されにくくなり、落ち着いて接しやすくなるでしょう。本人の同意を得たうえで診察に同行し、主治医の説明を一緒に聞くことも、治療への理解を深める方法の一つです。

気分の波や再発のサインを一緒に見守る

躁状態のときは本人が調子の良さを感じやすく、病気の自覚を持ちにくい傾向があります。睡眠時間が急に減る、口数や買い物が増えるといった変化に家族が気づくことが、早めの受診につながる場合もあります。

普段から本人と再発のサインを共有し、気になる変化があれば責めずに受診を勧めましょう。

家族だけで抱え込まず相談先を持つ

長期にわたる治療を支える中で、家族が疲れや不安を抱えることも少なくありません。家族自身の心身の健康を保つことも、本人を支え続けるうえで大切な要素の一つです。

困ったときは主治医や医療機関のスタッフ、地域の保健所や精神保健福祉センターなどに相談し、一人で抱え込まないようにしましょう。

参考:
こころの相談の窓口について|困ったときの相談先|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省

まとめ

双極性障害は躁状態とうつ状態を繰り返す病気であり、病気への正しい理解と継続的な治療が回復の鍵になるでしょう。

うつ病とは異なる薬物療法や生活リズムの調整が必要となり、症状が落ち着いている寛解期でも治療を続けることが再発防止にもつながります。家族や周囲の人が気分の波を一緒に見守ることも、本人の支えの一つです。一方で、気分の波に合わせた長期間の通院や毎日の服薬管理には、相応の労力と不安が伴います。

体調が優れない時期に処方せんを持って薬局へ出向くことや、薬の疑問を抱えたまま過ごすことは、患者さんにとって大きな負担になりがちです。

双極性障害の治療中はとどくすりを活用しよう

双極性障害とは、気分が高揚する躁状態・軽躁状態と、気分が落ち込むうつ状態を繰り返す病気です。治療を続けるには、医師の指示に沿ってお薬を受け取り、服用を継続することが大切です。

通院後に薬局へ立ち寄ることが負担に感じられる場合は、とどくすりをご活用ください。LINEで処方箋の情報を簡単に送ると、薬剤師によるお薬の説明(服薬指導)をビデオ通話で受けられます。処方せん薬宅配サービスのため、薬局探しで何軒も歩き回る必要がなく、ご自宅でお薬を受け取れます。周囲の目が気になる場合にも、落ち着いて手続きしやすい点が特長です。

通院後の薬局利用に負担を感じている方は、治療を続けるための選択肢として、とどくすりの利用をぜひご検討ください。