不眠症の改善に食事が重要。ぐっすり眠れる食べ物・飲み物とは?

不眠症

「眠たいのに眠れない」「夜中に何度も起きてしまう」など、不眠を経験したことがある方は多いのではないでしょうか。
心配なことや試験の前日など、気になることがあって目が覚めてしまうことは誰にでもあるものですが、長く続く場合には食事を工夫してみるのも1つです。

本記事では、不眠症におすすめの食べ物や飲み物についてご紹介します。

不眠症とは

夜間に眠れないことが続き、そのことが原因で日中に体や心の不調が現れることを不眠症といいます。
「眠れない」と「日中に不調がある」ことの両方ある状態が週3日、3ヵ月以上続く場合を慢性不眠症、3ヵ月未満の場合を短期不眠症といいます。

不眠症のタイプ

不眠症にはタイプがあり、就寝時に眠ることが困難な「入眠障害」、就寝後に眠りが浅く何度も目が覚めてしまう「中途覚醒」、早朝に目が覚めてしまいその後眠ることができない「早朝覚醒」などがあります。
このような不眠症のタイプは、不眠症状を引き起こしている原因を探ったり、睡眠薬を検討したりする際の参考になります。

不眠症の原因

不眠症の原因は様々で、ストレスや精神疾患、神経疾患からくるものもあれば、アルコールや薬の副作用など多岐にわたります。
不眠症の概要について、詳しくは以下の記事をご覧ください

【関連記事:不眠症の原因とは?症状の特徴や知っておきたい予防法

不眠症におすすめの食べ物

不眠症と食事は深く関わりがあります。
睡眠と関連のあるホルモンをつくる栄養素が不足している場合は、補うことで症状の改善が期待できます。
また、リラックス効果のある食べ物を取り入れることで、副交感神経が優勢になり、睡眠の質を高めます。

これらを、1日を通して食事で取り入れていくことが大切です。
就寝直前の食事は、消化活動が睡眠を妨げてしまうため、できるだけ控えましょう。

トリプトファン

睡眠に関係のあるホルモン「セロトニン」の材料となるのが必須アミノ酸の1つであるトリプトファンです。
トリプトファンは体内で作り出すことができないため食事から補う必要があります。

トリプトファンが多く含まれている食材は主に、豆腐・納豆・味噌などの大豆製品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、玄米や白米などの穀類などです。
その他、ごまやピーナッツ、卵、バナナにも含まれており、1つの食品に限らず様々な食品から摂るのがおすすめです。

ビタミンB6

ビタミンB6はトリプトファンの吸収を良くする働きがあります。
まぐろやかつお・さば・さんまなどの魚類、鶏胸肉やささみ・豚ヒレ肉などの脂身の少ない肉類、ごまやくるみ・落花生などの種実類、バナナやアボカドなどの果物に豊富に含まれています。
バナナはトリプトファンとビタミンB6が一緒に摂れるため、朝食に取り入れるのがおすすめです。

GABA

GABAはアミノ酸の一種で、興奮を鎮め精神を安定させる効果があるといわれています。
ストレス解消効果をうたうチョコレートや飲み物も販売されているため、知っている方もいるかもしれません。
食品にも含まれている栄養素で、玄米や雑穀米、スプラウト、トマト、味噌などに含まれています。
ストレスは睡眠を妨げることが知られているため、これらの食品を積極的に摂取して気持ちをリラックスさせましょう。

不眠症におすすめの飲み物

就寝前の飲み物は寝ている間の水分を補うと共に、リラックス効果のあるものが睡眠の質の改善につながります。
消化に負担をかけず、カフェインを含んでいないものを選ぶことがポイントです。
また、冷たい飲み物を避け、常温または温かい飲み物を選ぶようにしましょう。

白湯

白湯とは、一度沸騰させてから飲みやすい温度に冷ましたお湯のことで、沸騰させることで残留塩素やトリハロメタンなどの有害物質が取り除かれていることが、お湯との違いです。
胃腸を温める効果があるため、副交感神経が優勢になりリラックス効果が期待できます。

ハーブティー

ハーブティーは、ハーブを乾燥させてお茶にしたもので、種類によって違った味や香りが楽しめます。
ハーブティーの中でもカモミールティーやパッションフラワーティーがリラックス効果の高いことが知られています。
緑茶や紅茶には覚醒作用のあるカフェインが含まれていますが、ハーブティーはほとんどのものがノンカフェインです。

避けた方が良い飲み物

不眠症の方が避けた方が良い飲み物はカフェインを含むものとアルコールです。
カフェインは覚醒作用があり、コーヒーや茶葉、エナジードリンクに含まれています。

カフェインの摂取量については、1日の摂取合計が400㎎(ドリップコーヒーで700cc程度)を超えないようにすることが推奨されています。
また、敏感な人は睡眠の5~6時間前からは摂取しない方が良いといわれています。

アルコールは寝つきを良くすることがありますが、明け方の睡眠を妨げるため控えた方が良いでしょう。

不眠症の治療法

不眠症の治療には、睡眠指導による生活習慣の改善や薬物療法があります。
不眠症は1つの病気ではなく、原因によって対処法も異なるため、原因を探りながら治療を進めていくことが一般的です。

生活習慣の改善

睡眠を妨げている生活習慣を変えることで不眠を改善できる場合があります。
まず、良い睡眠のためには、規則正しい生活が大切です。
睡眠・覚醒は体内時計で調整されていますので起床・睡眠時刻を一定にすることでリズムが整います。
太陽光には体内時計を調整する働きがあるため、朝起きたらまず朝日を浴びることが夜の睡眠につながります。
ストレスをためない、リラックスした時間をもつなども有効です。

薬物療法

睡眠薬を用いることが主流です。
睡眠薬は使うことに抵抗のある人もいますが、正しく使えば過度な心配は必要ないといわれています。
ドラッグストアで購入できる市販の睡眠薬もありますが、これらは短期間の使用に限られており、自己判断で長期的に服用してはいけません。
医師や薬剤師と相談しながら自分に合ったものを処方してもらいましょう。

食べ物・飲み物から睡眠の質を改善しよう

不眠症は「眠れない」と「日中の活動に支障がでる」2つの症状が続く場合をいいます。
その原因は様々ですが、食事は睡眠と深く関わりがあり、食べ物、飲み物から睡眠の質の改善を目指すのも1つの方法です。
不眠症は眠れないことを一人で悩むこと自体が症状の悪化につながることがあるので、症状が長く続くようなら、病院を受診して相談しましょう。

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参考文献
  • 厚生労働省「e-ヘルスネット 不眠症」
  • 厚生労働省「e-ヘルスネット 快眠と生活習慣」
  • 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」