バルサルタン(ディオバン錠)とはどのような薬?併用する薬には注意しよう

バルサルタン(ディオバン錠)

バルサルタン(ディオバン錠)は、広く用いられている高血圧症の治療薬です。
多くの方が服用している薬ですが、患者さんによっては注意が必要な場合があります。

本記事では、バルサルタンの効果や服用時の注意点、併用に気をつける薬についてご紹介します。
高血圧の治療中の方や新たに治療を始める方は、ぜひ参考にしてください。

バルサルタン(ディオバン錠)とは

バルサルタンは、2000年にノバルティスファーマより発売された「ディオバン錠」の有効成分です。
アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)に分類され、1日1回の服用で安定した降圧効果を期待できます。
20mg・40mg・80mg錠に加え160mg錠やOD錠などの規格があり、ジェネリック医薬品も豊富です。

バルサルタン(ディオバン錠)の効果

バルサルタンには、血管を広げて血圧を下げる効果があります。
これは、血管を収縮させるホルモン「アンジオテンシンII」のAT1受容体の働きを抑えることによるものです。
さらに、バルサルタンは体内の水分やナトリウムが溜まりすぎないようにする作用もあります。
これにより、心臓や腎臓への負担を軽くし、心不全や腎機能障害の悪化を防ぐ効果が期待されています。

バルサルタン(ディオバン錠)の副作用

バルサルタンには、以下のような副作用があります。

  • 顔やのどの腫れ
  • 腎機能の低下
  • 血液中のカリウム濃度の上昇
  • めまいや失神
  • 発熱や体調不良

このような症状が出た場合は、すぐに医師に相談してください。
特に、妊婦や妊娠している可能性のある方は服用できませんので注意してください。

バルサルタン(ディオバン錠)の使用方法

バルサルタンは、1日1回40mg〜80mgをコップ1杯の水またはぬるま湯で服用します。
症状によって、160mgまで増量が可能です。
小児(6歳以上)では、体重に応じて1日20mg〜40mgに調整されます。

服用中はグレープフルーツジュースの摂取を避けてください。
また、手術が予定されている方は、24時間前から服用を控えましょう。

バルサルタン(ディオバン錠)と併用可能な薬

バルサルタンは他の降圧薬(カルシウム拮抗薬や利尿薬)と併用できるため、組み合わせて処方されることが多いです。
以下のように、バルサルタンとの配合剤も存在しています。

  • エックスフォージ(アムロジピンと配合)
  • アテディオ(シルニジピンと配合)
  • コディオ(ヒドロクロロチアジドと配合)
  • エンレスト(サクビトリルと配合)

また、一般的な市販薬では、解熱鎮痛薬のアセトアミノフェンや胃薬のファモチジンなどと併用できます。
その他の薬を服用中の方は、飲み合わせが問題ないか医師または薬剤師に確認するようにしましょう。

バルサルタン(ディオバン錠)と併用できない薬

バルサルタン(ディオバン錠)と併用できない薬は以下のとおりです。

併用できない市販薬

以下の市販薬は併用に注意が必要です。

  • 非ステロイド性抗炎症薬(インドメタシンなど)
  • カリウム製剤
  • 甘草を含む漢方薬

血圧に影響を与えたり副作用のリスクを高めたりする恐れがあります。

併用できない処方薬

バルサルタンと併用禁忌または併用注意の処方薬は以下のとおりです。

  • アリスキレンフマル酸塩(ラジレス)
  • ACE阻害薬
  • カリウム保持性利尿剤

上記は、腎機能障害や高カリウム血症・低血圧などのリスクを高める恐れがあります。
特に高齢の方や腎臓の機能が低下している方、糖尿病の方は注意が必要です。

バルサルタンで血圧をコントロールしよう

バルサルタンは、血圧を安定的にコントロールできる効果的な高血圧治療薬です。
血圧が安定することで、心臓や腎臓への負担を軽減し、健康的な状態を保つことにつながります。
また、バルサルタンを服用中は定期的に血圧を測定し、毎日の血圧の変化を記録しておくことが大切です。
自身の血圧を把握することで、より効果的な治療を進められるでしょう。

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参考文献
  • PMDA「ディオバン錠 添付文書」
  • PMDA「ディオバン錠 患者向け医薬品ガイド」