ロキソニンとセレコックスは、どちらも広く使用される消炎鎮痛薬です。
しかし、効果や副作用には違いがありますので、知っておく必要があります。
本記事では、ロキソニンとセレコックスの特徴と違い、服用方法、併用の可否についてご紹介します。
ロキソニンとセレコックスの特徴
ロキソニンとセレコックスは、痛みや炎症を抑える非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)です。症状や体質に応じて、医師が適切な薬剤を選択します。
ロキソニン(一般名:ロキソプロフェンナトリウム)
ロキソニンは、幅広い痛みに処方される薬です。
シクロオキシゲナーゼ(COX)を阻害することにより、痛みや炎症を引き起こす物質「プロスタグランジン」の生成を抑えます。
個人差はありますが、服用後約15分から30分程度で効果が現れるとされています。
ロキソニンは胃を保護するはたらきがあるCOX-1と炎症や痛みに関与するCOX-2、両方とも阻害するため、胃腸障害のリスクが高くなります。
第一類医薬品として販売されており、薬剤師のいる薬局やドラッグストアで購入できます。
セレコックス(一般名:セレコキシブ)
セレコックスは、COX-2を選択的に阻害して消炎鎮痛効果を発揮する薬です。
胃への負担が少ないため、長期的な服用が必要な慢性的な疾患に向いています。
しかし、心血管系の副作用リスクがあるため、医師の指導と処方せんが必要な薬であり、市販されていません。
ロキソニンとセレコックスの併用は可能?
一般的に、ロキソニンとセレコックスの併用は推奨されていません。
併用による効果の増強は認められず、消化器系の副作用のリスクが増すからです。
例外として、セレコックスを定期服用中の患者さんが急な痛みを緩和するため、ロキソニンを一時的に頓服する場合があります。
この場合も、副作用のリスクを理解した上で、医師の判断により処方されます。
ロキソニンとセレコックスの効果
ここでは、ロキソニンとセレコックスの効果を紹介します。
ロキソニンの効果
ロキソニンは、痛みや発熱を引き起こすプロスタグランジンの生成を阻害することで効果を発揮します。
鎮痛作用は比較的強力で、次の症状に使用されます。
- 頭痛
- 生理痛
- 歯痛
- 関節痛
- 筋肉痛
- 手術後、外傷後の痛み
- 急性上気道炎における解熱、鎮痛
セレコックスの効果
セレコックスはCOX-2を選択的に阻害することで、慢性的な炎症や痛みを抑えます。
次の疾患に効果があります。
- 関節リウマチ
- 変形性関節症
- 腰痛症
- 肩関節周囲炎
- 頸肩腕症候群
- 腱、腱鞘炎
- 手術後、外傷後、抜歯後の消炎鎮痛
副作用の違い
ロキソニンとセレコックスでは、副作用に違いがあります。
まず、ロキソニンの主な副作用は以下のような消化器系の副作用です。
- 消化性潰瘍
- 消化管出血
- 吐き気・嘔吐
次に、セレコックスでは、胃腸への負担は少ないものの、以下の副作用が報告されています。
- 心筋梗塞
- 脳卒中
- 吐き気、嘔吐
特に、セレコックスの長期服用による心血管系への重大な副作用には注意が必要です。
また、どちらの薬も妊婦や産婦、15歳未満の小児は服用できず、高齢者は医師の指導のもと服用する必要があります。
ロキソニンとセレコックスの飲み方
ロキソニンとセレコックスは、症状や体質によって服用量や期間が異なります。
どちらも、必要最小限の使用にとどめ、漫然と服用しないでください。
自己判断で増量したり間隔を狭めたりすることはやめましょう。
ロキソニンの飲み方
食後にコップ1杯のお水で1回60mg(1錠)を服用します。
胃腸障害を避けるため、空腹時の服用は避けましょう。
1日の最大量は180mg(3錠分)で、4時間以上の間隔をあけて服用します。
セレコックスの飲み方
セレコックスは、1回100〜200mgを1日2回、朝・夕食後に服用します。
症状別の用法用量は以下のとおりです。
- 関節リウマチ:1回100~200mgを1日2回
- 変形性関節症・腰痛症・肩関節周囲炎・頸肩腕症候群・腱・腱鞘炎:1回100mgを1日2回
- 手術後・外傷後・抜歯後の消炎鎮痛:初回のみ400mg、以降は1回200mgを1日2回まで
いずれの場合も服用間隔は6時間以上あけてください。
ロキソニンとセレコックスの違いを理解しましょう
ロキソニンとセレコックスの違いや効果、副作用、服用方法を解説してきました。
ロキソニンとセレコックスはそれぞれに特徴があり、医師の指導に従って適切に服用することが大切です。
高齢者や併用薬がある方、妊娠中または授乳中の方、特定の病歴がある方は、必ず服用前に医師に相談してください。
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参考文献
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- 厚生労働省「ロキソニン錠60mg添付文書」