便秘症や生活習慣病はオンライン診療が有効? 小さな習慣の積み重ねで変わる健康生活。

便秘症や高血圧、高脂血症、糖尿病などの生活習慣病は、QOL(生活の質)に大きく影響を及ぼす健康課題です。
特に働き盛りの世代では、不規則な生活習慣やストレス、運動不足などが重なり、これらの症状に悩む方が増加傾向にあります。
しかし、仕事に追われる毎日の中で、病院に行く時間が取れない、あるいは受診することに抵抗を感じるといった理由で、適切な治療を受けられていない方も少なくありません。

そうした現代人の健康課題に応えるべく、鈴木院長が大学病院での経験を活かしてオンライン診療に特化したクリニックとして「オンラインちよクリ(by ちよだ内科クリニック)」を開院しました。
「便秘症や糖尿病などの生活習慣病は、継続治療が重要です。しかし、忙しい方々には定期的な通院は大きな負担となるので、当院ではオンライン診療で受診しやすい環境づくりを心がけています」
と語る鈴木院長に、便秘症や糖尿病など生活習慣病の治療、そしてオンライン診療の可能性について伺いました。

内科医として見つめてきた、現代人の健康課題

大学病院で勤務していたときに実感していたのは、大きな病気の多くは、日々の小さな生活習慣のコントロール不足から引き起こされている、ということでした。
特にコロナ禍以降、生活習慣の変化は顕著です。運動不足や生活リズムの乱れに加え、心的なストレスも大きな要因となっています。

便秘症などの症状は、QOL(生活の質)に直結する大きな問題です。便秘症は生活習慣が関与する慢性的な症状であるため、長期的な経過をたどります。しかし、働き盛りの方々は多忙で、日中の受診が難しく、市販薬で対処するしかないと諦めてしまう。そうしたケースでは、どうしてもQOLが低下してしまいます。

そこで注目したのがオンライン診療です。もともとは遠隔地の医療アクセス向上のためにはじまった取り組みですが、現代では時間的・心理的な障壁を取り除く手段として、新たな可能性を見出しています。

便秘症に悩む方が増加中―消化器内科医が伝えたい対処法

便秘症の特徴は、その症状と原因の多様性にあります。
実際のところ、生活習慣病との併存が多いケースが目立ち、ストレスの多い方や不眠症の方、暴飲暴食や不規則な生活になりがちの方に症状が多く見られます。
また、年齢を重ねるごとに消化管機能は低下するため、年齢を重ねていく中での発症も増加傾向にあります。近年は逆流性食道炎や過敏性腸症候群などの消化器疾患と併発するケースも多く、それぞれの症状に応じた投薬調整が必要です。

便秘症の裏に隠れている重篤な疾患の可能性も忘れてはいけません。
便が細くなる、血便がある、残便感がある、食欲不振や体重減少を伴うといった症状がある場合は、大腸がんなどの重篤な疾患の可能性も考えられます。こうした場合は、高次医療機関と連携して精密検査を提案しています。
手遅れになってしまう前に、気になる症状がある場合は、ぜひ早めにクリニックへ相談をしてみてください。

一人ひとりに合わせた便秘治療―オンラインでの継続的なケア

治療は患者さんの排便状況や生活習慣を確認することからはじめます。基礎疾患の有無、服用中の薬剤、健康診断結果なども踏まえた上で、治療方針を決定していきます。

治療薬の選択肢としては、以下のようなものがあります。

  • 浸透圧下剤:マグミット、モビコール
  • 胆汁酸トランスポーター阻害薬:グーフィス
  • 上皮機能変容薬:アミティーザ、リンゼス
  • 漢方薬:大建中湯

多くのケースでは、まず浸透圧性下剤のマグミットを処方します。マグミットは、自己調節がしやすく、硬い便への効果も高いお薬です。腎機能の悪い方には注意が必要ですが、比較的使いやすく、幅広い症例に対応できるのが特徴です。
また、大腸内の胆汁酸を増加させることで大腸の蠕動を促進するグーフィスも選択肢となります。副作用が少なく効果も高い、使いやすいお薬です。

一方で、市販薬でもよく使用されている刺激性下剤には、特に注意が必要です。
長期間の服用は腸管の神経層がダメージを受け、腸の動きが弱くなり弛緩性便秘に移行するケースが多いからです。効果だけを考えると確かに良いお薬ですが、短期的な使用に留めるべきでしょう。

すでに刺激性下剤の長期服用をしている場合は「時間をかけて別のお薬にスイッチしながら、腸管の機能を戻していく」必要があります。
年単位になることもありますが、根気強く取り組むよう、患者さん一人ひとりと向き合ってアドバイスをしています。

便秘症の診察から見えてきた糖尿病など生活習慣病の問題

便秘症患者さんの診察を通じて、日々の生活習慣が大きな課題になっていることを実感してきました。そういった乱れた習慣が問題となる生活習慣病、特に糖尿病も現代人が抱える大きな問題と言えると思います。
糖尿病は初期の段階ではほとんど無症状なので、健康診断でHbA1c(ヘモグロビンA1c)値が高めだと指摘されても、なかなか受診につながらないのが現状なのです。

糖尿病には大きく分けて、自己免疫疾患が原因となる1型糖尿病と、生活習慣が原因となる2型糖尿病があります。
特に問題となるのは2型糖尿病で、運動不足や過食などで肥満になることで、血糖を下げるホルモンであるインスリンが効きにくい体質(インスリン抵抗性の増大)となり、高血糖状態が続き、さまざまな合併症を引き起こすリスクが高まります。

また、糖尿病の三大合併症として、網膜症、腎症、神経障害が知られています。放置すると失明や透析、足の切断などの重篤な状態につながる合併症です。心血管障害や脳血管障害のリスクも高まってしまうので、やはり手遅れになる前に早めの受診がとても大切なのです。

糖尿病の方に伝えたい生活習慣改善のポイント

生活習慣の改善は、投薬治療と並ぶ重要な柱です。

食事面では、1日の適正摂取カロリーを守ることが最も大切です。具体的には、飽和脂肪酸を多く含む脂身の多い肉やバター、生クリーム、インスタントラーメンなどの加工食品は控えめにしましょう。
食事管理には、スマートフォンのアプリの活用もおすすめです。食べたものを記録できる機能や、コンビニ食品のバーコードを読み取ると栄養成分が分かる機能など、便利なアプリが増えていますよね。これらを活用して、日々の食事内容を可視化すれば、より効率的な食事管理が可能となります。

アルコールについても注意しましょう。特にビールは糖質も多く、尿酸値も上がりやすいので要注意です。

運動については、有酸素運動と筋力トレーニングの組み合わせがいいでしょう。ジムに通うのはハードルが高いと感じる方も多いので、まずは自宅でできる腕立てやスクワットからはじめてみてください。

オンライン診療で広がる新しい治療の選択肢

生活習慣病や便秘症など、日々の健康管理が必要な症状がありながら、仕事の都合で定期的な通院が難しい、感染症への懸念から通院をためらっている、など医療アクセスの課題を解決する新しい選択肢として、今オンライン診療が注目されています。

当院では安心安全な医療を提供する医療機関として、スマートフォンがあれば全国どこからでも受診可能な環境を整えています。
早朝や夜間の診療時間を設けているので、お仕事の前後に受診いただくことができますし、とどくすりとの連携で、診察から処方まで全てオンラインで完結し、お薬受取り時の薬局での待ち時間もありません。

検査が必要な場合や緊急性の高いケースでは地域や高次医療機関と連携するなど、状況に応じた迅速な対応も可能ですのでご安心ください。

生活習慣病の治療は、患者さんの生活に寄り添うものでなければなりません。大学病院や総合病院では、救急診療をはじめ消化器病、内視鏡内科だけでなく、総合内科、老年内科、外科、皮膚科など様々な症例を経験しており、一人ひとりの生活スタイルに合わせた幅広い診療を提供していますので、お気軽にご相談ください。

院長 鈴木伝

プロフィール

院長 鈴木伝

当院では、継続的な服薬管理はもちろん、食事や運動習慣の改善など、生活習慣に関する具体的なアドバイスも提供させていただいております。Web上のホームドクターとして、皆さまの健康管理を総合的にサポートしてまいりますので、気になっていることがある方はぜひ一度、ご相談ください。

オンラインちよクリ(by ちよだ内科クリニック)
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