ドライアイは、パソコンやスマートフォンの使用、コンタクトレンズの装用、高齢化などにより発症する人が増加傾向にあります。
本記事では、ドライアイについて原因・症状・治療方法などを解説します。
ドライアイとは
ドライアイは、何らかのきっかけで涙液の性質が変わることにより、目に不快感が生じたり視力に影響を及ぼしたりする病気です。
ここでは、ドライアイが発症する原因や症状について紹介していきます。
ドライアイの原因
眼球を保護するため、目の表面には涙液が広がっています。
涙液は層状になっており、表面に油層があり、その下にタンパク質を含んだ液層があります。
ドライアイになると、涙液層が均一でなくなり、目の表面が傷ついたり乾燥したりするのです。
涙液層の性質を悪化させる要因は、以下のものが挙げられます。
- エアコン
- コンタクトレンズ
- パソコンやスマートフォンの長時間使用
- 加齢
- 薬の副作用
- 全身性疾患(シェーグレン症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群など)
ドライアイの特徴
ドライアイで良くみられる症状は以下のとおりです。
- 目が乾く
- 目がごろごろする
- 目が痛い
- 目が開けにくい
- 目がかすむ
- 目が疲れる
- 目やにが出る
ドライアイの放置は危険
ドライアイは失明につながる病気ではありません。
しかし、治療せず放置してしまうと、実用視力が低下することがあります。
実用視力とは、一般的な視力検査とは異なり、日ごろの活動中にどのくらい視力があるかを測定するものです。
他にもドライアイを放置することで、慢性的な頭痛や肩こり、心の病気につながる可能性が指摘されています。
ドライアイの検査方法
ドライアイが疑われるときに行う検査には、シルマーテスト・BUT検査・染色検査があります。
シルマーテスト
シルマーテストは、涙液の量を調べる検査です。
専用のろ紙を5分間下まぶたにはさみ、どの程度濡れるかを測定します。
正常値は10mm以上ですが、5mm以下の場合は涙液が少なく、ドライアイが疑われます。
BUT検査
BUT検査は、涙液の質を調べる検査です。
目を開いてから10秒間まばたきをせず、涙液層が均一でなくなるまでの時間を測定します。
BUTが5秒以下の場合は、涙液の性質が不安定であると判定され、ドライアイの可能性が高くなります。
染色検査
染色検査は、目の表面に傷があるかどうかを調べる検査です。
染色色素のフルオレセインが含まれた検査液を点眼し、スリットランプと呼ばれる顕微鏡で確認すると、角膜や結膜の傷のある部分が着色されます。
ドライアイの対策法
ドライアイの症状が悪化しないように、日常生活で対策できることを3つご紹介します。
対策①:PC使用時はコンタクトレンズの装用をなるべく避ける
パソコン作業を行うときは、ドライアイの症状が悪化する可能性があるため、コンタクトレンズの使用をできるだけ控えると良いです。
パソコンを使用しているときは、まばたきの回数が減るため、目の表面が乾燥しやすくなります。
さらにコンタクトレンズを長時間装着することにより、涙液が蒸発しやすくなります。
パソコン使用時は1時間ごとに休憩をとったり、コンタクトレンズからメガネに変えたりして目の乾燥を防ぐようにしましょう。
対策②:エアコンの風向きを工夫する
エアコンの風が目元に直接あたると、目が乾燥しやすくなります。
風向きを変えたり、風が顔にあたらない場所で作業したりするなど工夫しましょう。
また、エアコンの使用で部屋の空気が乾燥すると、ドライアイの症状を悪化させるため、加湿器を設置するのも有効です。
対策③:目元を温める
蒸しタオルや目元専用のホットパックをまぶたの上にのせて、5~10分ほど休憩しましょう。
目元を温めると血行が良くなり、涙液の油分を分泌するマイボーム腺の働きを促すことで、目が乾燥しにくくなります。
さらに温まることで、目の筋肉の緊張がほぐれて疲れ目の症状も改善します。
ドライアイの治療法
ドライアイの主な治療法には、点眼薬と涙点プラグがあります。
症状のタイプや重症度によって、適切な治療が選択されます。
処方薬
症状が比較的軽い場合は、以下の保険適用の点眼薬を使用します。
- ヒアルロン酸ナトリウム:涙液の水分量を保ち、目の表面にできた傷の修復を助ける
- ジクアホソルナトリウム:目の水分量を増やす作用と、目の乾燥を防ぐムチンの分泌を促す作用がある
- レバミピド:目の表面にできた傷の修復を助けたり、目の乾燥を防ぐムチンの産生を促したりする
涙点プラグ
点眼薬の治療で改善がみられない場合は、涙点プラグによる治療が行われます。
涙点プラグとは、涙の出口にシリコン製の栓をする方法です。
涙の出口をふさぐことで、涙が目にとどまるようになり乾燥を防ぐことができます。
ドライアイの症状悪化を防ぐには専門医の治療が不可欠
ドライアイを引き起こす要因は、パソコンやスマートフォンの使用、エアコン、加齢などさまざまあります。
軽症のうちは、保険適用の点眼薬で症状をコントロールすることができます。
治療せず放置すると、活動中の視力が低下したり、頭痛や肩こりの原因になったりするため、早めに眼科医の診察を受けることが大切です。
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参考文献
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- 公益財団法人日本眼科学会「ドライアイ」
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- 公益社団法人日本眼科医会「ドライアイに悩む方へ-生活の注意と治療の目安-」