一次性頭痛と二次性頭痛の特徴を解説。それぞれの治療法を知っておこう

一次性頭痛 二次性頭痛

日常生活に支障をきたすこともあるのが、頭痛です。
頭痛には様々な種類がありますが、なかには生命の危機に直結するようなものもあり、注意が必要です。

本記事では、頭痛の種類や特徴、治療法などについて解説します。

一次性頭痛(慢性頭痛)の特徴

原因となる病気が他にない頭痛を「一次性頭痛」と呼びます。
いつも同じような痛みがあるといった場合が多く、慢性頭痛とも呼ばれています。
片頭痛、緊張性頭痛、群発頭痛などが代表的です。

片頭痛

一次性頭痛のなかでも症状が現れやすく、女性に多くみられます。
頭痛の前に目の前がギラギラするなどの前兆がある場合とない場合があり、発作は4~72時間持続します。
片側に起こることが多く、心拍動に伴って変動するズキンズキンとした痛みがあり、日常生活に支障がでることも多くみられます。
階段を登る、歩くといった日常的な動作で頭痛がひどくなるのが特徴で、吐き気を伴ったり、光や音に過敏になったりすることがあります。

【関連記事:どのような症状が出たら片頭痛(偏頭痛)?原因や予防法を解説

緊張性頭痛

ストレスや緊張などの精神的な要因によって引き起こされることの多い頭痛で、一次性頭痛のなかで最も多くみられる頭痛です。
一般的には、頭の両側に鈍い痛みや圧迫感があり、数十分から数日持続します。
階段を登る、歩くといった日常的な動作によって痛みの強さが変わることはありませんが、光や音に対して過敏になる場合があります。

群発頭痛

男性に多く、年齢層は20~40代で多くみられます。
目のまわりやおでこ、目の後ろ、こめかみから耳の後ろにかけての激しい頭痛が数週間~数か月の期間群発します。
夜間や睡眠中に頭痛が起こることが多く、アルコールやヒスタミン、ニトログリセリンによって誘発されやすいといわれています。

二次性頭痛(急性頭痛)の特徴

原因となる病気がある頭痛は、二次性頭痛と呼ばれています。
緊急性が高く、診断の遅れが命に関わることもあるため注意が必要です。
代表的なものに、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍があります。

くも膜下出血

脳動脈瘤の破裂によって起こるくも膜下出血は、予後が悪いことが知られています。
20%程の症例で、発症する前に少量の出血があり、自覚症状として突然の頭痛や吐き気、嘔吐、めまい、せん妄、動眼神経麻痺や視力低下があります。
雷鳴頭痛(雷に打たれたような激しい頭痛)とも呼ばれる激しい頭痛が典型的な症状で、診断にはCTやMRIなどの画像診断が用いられます。
予後に影響するもっとも大きな要因は、破裂した脳動脈瘤からの再出血で、速やかな受診、治療が必要です。

脳出血

脳の血管が破れて脳内で出血することを、脳出血といいます。
脳は多くの栄養と酸素を必要とし、血液によって運ばれていますが、脳の血流が減ってしまうと脳の神経細胞に障害が起きます。
代表的な症状は、言語障害や半身のしびれや麻痺です。

脳腫瘍

他の頭痛と見分けがつくような特徴はありません。
癌を体内に持っている方やその既往がある方で、新たに頭痛が発症した場合には積極的に検査することが勧められています。
特に神経症状やけいれん発作を伴う場合、時間が経つにつれて症状が悪化する場合には、画像検査による頭蓋内精査をおこなうことが推奨されています。

頭痛薬の飲みすぎで起こる「薬物乱用頭痛」とは

頭痛が起きたらどうしようという不安から、頭痛がないのに薬を飲んだり、飲みすぎたりすることで薬の効果が弱くなることがあります。

薬物乱用頭痛

片頭痛や緊張性頭痛などの慢性的な頭痛を持つ方で、痛み止め等の頭痛薬を過剰に使用することによって頭痛の頻度が増えてしまうことがあります。
これを「薬物乱用頭痛」といいます。

治療法

薬を過剰に使用することで起こる薬物乱用頭痛の治療は、薬を中止することです。
薬をやめることで頭痛が治る方が7割ほどですが、残り3割の方は再発するといわれています。
自己判断で薬を飲まず、早めに頭痛の専門医に相談することが推奨されています。
その他、予防薬の使用や入院して治療する方法があります。

頭痛の予防法と治療法

ここでは、一次性頭痛と二次性頭痛の原因や対処法について紹介していきます。

一次性頭痛(慢性頭痛)

一次性頭痛の治療には、まず痛みのコントロールが優先され、アセトアミノフェン(カロナールなど)や非ステロイド性消炎鎮痛薬(ロキソニン)などの痛み止めが多く用いられます。
また、頻繁に起こる片頭痛に対しては予防薬の投与も推奨されています。

二次性頭痛(急性頭痛)

二次性頭痛の原因は様々ですが、スピーディな対応をとることが重要です。
一次性頭痛のように痛みに対する対策ではなく、原因が分かれば治療できるため、専門医を受診しましょう。

「頭痛ぐらい」と思わずにしっかりと対処しましょう

頭痛は非常にメジャーな病状であり、日常生活にも支障をきたすものです。
一次性頭痛、二次性頭痛、あるいは併発している場合など、様々な種類があるため、自己判断せずに頭痛専門医に診てもらうことが重要です。

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参考文献
  • 国際頭痛学会:国際頭痛分類第3版(ICHD-3)日本語版
  • 日本頭痛学会:頭痛の診療ガイドライン2021