高血圧の方におすすめの食事メニュー。生活習慣の改善と併せて解説

高血圧の基本治療は運動療法と食事療法ですが、特に食事療法については頭を悩ませる方も多くいらっしゃるでしょう。
生きるために必ず必要な「食事」であるため、高血圧を意識しつつも楽しむことも忘れたくないものです。
本記事では、食事療法の基本、高血圧の方におすすめの食事メニュー、生活習慣の改善について解説していきます。

高血圧の方が知っておきたい食事療法

高血圧は安静時でも血圧が高い状態であり、高血圧が続くと生活習慣病の発症につながりやすいです。
日頃の予防が重要となる疾病です。
高血圧の治療では、薬物療法と生活習慣の改善の継続が必要になりますが、生活習慣の改善としては特に「食事療法」が大きな役目を果たします。

【関連記事】
日本人に多い高血圧とは?原因・予防法・処方されるお薬について解説

食事療法の基本は「減塩」

高血圧の予防や改善に大きく関わるのが塩分です。
健康な方の塩分摂取量の目標は、「健康日本21」によると8gまで、高血圧の診断を受けた方の目標は「日本人の食事摂取基準」によると6gまでとされています。
日本の食事はどれも塩分量が高くなりがちですが、以下の「減塩のコツ」を意識するだけで、ストレスなく塩分の少ない食事をとることができます。

〇減塩に必要な食行動の例:「減塩のコツ」

  1. 1.「漬け物は控える」 自家製浅漬けにして少量に
  2. 2.「麺類の汁は残す」 全部残せば2~3 g減塩できる
  3. 3.「新鮮な食材を用いる」 食材の持ち味で薄味の調理
  4. 4.「具だくさんのみそ汁にする」 同じ味付けでも減塩できる
  5. 5.「むやみに調味料を使わない」 味付けを確かめて使う
  6. 6.「低ナトリウムの調味料をつかう」 酢・ケチャップ・マヨネーズ・ドレッシングを上手に利用する
  7. 7.「香辛料、香味野菜や果物の酸味を利用する」 こしょう・七味・しょうが・かんきつ類の酸味を組み合わせる
  8. 8.「外食や加工食品を控える」 目に見えない食塩が多く含まれている。塩干物にも注意する

高血圧の方におすすめの食事メニュー・献立

少し工夫をするだけで、減塩された食事が可能です。
外食が多い方は、ナトリウムを排泄する作用のある「カリウム」が多く含まれている、藻類・果実類・いも及びでん粉類・豆類・肉類・魚介類・野菜類などをなるべく生で食べられるような惣菜を選ぶと良いでしょう。

以下では、具体的な減塩メニューを2つ紹介します。

おすすめメニュー①:なすとツナの和え物

なすにはナトリウムの排泄を促すカリウムが豊富に含まれています。
なす3本を細切りにし水でさらして5分後に水を切り、塩・胡椒少々、砂糖小さじ1/2杯、鶏ガラスープの素小さじ1杯、ごま油大さじ1杯と、ツナ缶1コを油を切ってから和え、ふんわりラップをしてレンジ600Wで5分加熱すると完成です。

おすすめメニュー②:海藻サラダ

prescription-medicine_No.11-02.jpg

普段忙しくてコンビニで済ませることが多い方は、海藻サラダを選ぶようにしましょう。
付属のドレッシングに塩分が多く含まれていますが、レタス・キャベツ・にんじんや、特にわかめやひじきなどの海藻にはカリウムが多く含まれています。
他のコンビニの惣菜を選ぶよりは、健康を意識した食事メニューに近づけることができるでしょう。

食事と一緒に見直したい生活習慣

食事内容を変えていくだけでも高血圧の改善にはつながりますが、他の生活習慣を見直すことでさらに効果は見込めるでしょう。

運動療法

高血圧を含めた生活習慣病の改善のために、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を30分以上行うことが推奨されています。
運動をすることによって、新陳代謝が促されるため血管を健康に保ち、適度に汗をかくことで水分や余分な電解質を排泄して血圧を下げることにつながります。

ストレスを解消する

prescription-medicine_No.11-03.jpg

ストレスが蓄積されている状態が長期に渡ると高血圧につながるため、ストレスの解消法を見つけることが大切です。
好きな音楽を聞いたり、寝る前にリラックスできるアロマを焚いたり、運動療法もストレス解消に役立ちます。
自分なりのストレス解消を行っていきましょう。

食事のメニューはいくつかレパートリーを持っておきましょう

食事療法の基本と高血圧の方におすすめの食事メニュー、また生活習慣の改善について解説してきました。
高血圧の治療は、生活習慣の改善はもちろん、医師から指示された薬を正しく飲むことも並行して行っていくことが大切です。

とどくすりは、薬局へ行かずに処方せんの薬を宅配便で受け取れるサービスです。
処方された薬についてはオンラインで薬剤師から説明を受けられるため、ネット環境がある場所であれば、どこからでも処方薬について問い合わせることができます。
高血圧の薬の受け取りには、是非とどくすりの活用をご検討ください。

参考文献
  • 厚生労働省・e-ヘルスネット「高血圧」
  • 厚生労働省・e-ヘルスネット「栄養・食生活と高血圧」
  • 厚生労働省・e-ヘルスネット「高血圧を改善するための運動」
  • 厚生労働省「健康日本21(第二次)」
  • 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版) 『日本人の食事摂取基準』策定検討会報告書」
  • 厚生労働省「特定保健指導の対象とならない 非肥満の心血管疾患危険因子保有者に対する 生活習慣改善指導ガイドライン」
  • 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂) 増補2023年」