日頃からの自分の健康状態をみてもらうために「かかりつけ医」を決めている方は多くいらっしゃるでしょう。
もらった処方せんは基本的にどこの薬局でも処方薬に引き換えられますが、この薬局や薬剤師にもかかりつけを見つけると、多くのメリットを受けることができます。
本記事では、かかりつけ薬局・薬剤師とはなにか、またどのようなことができて、何がメリットなのかを解説していきます。
かかりつけ薬局・薬剤師とは
かかりつけ薬局とは、医療機関を受診した後に薬の処方をもらう指定の薬局のことです。
かかりつけ薬剤師は、ご自身で選んだ薬剤師1人に相談をしたり、処方薬をもらうことができる制度です。
厚生労働省が掲げること
医療機関を受診した患者様は医療機関の目の前にある薬局(門前薬局)で受け取ることがスムーズで楽であるため、複数の医療機関を受診されている患者様はそれぞれの医療機関の目の前の門前薬局で受け取る傾向にあります。
しかし、どの医療機関を受診しても必ず同じ1つの薬局に行くことを定めることで、薬による治療が適切に行うことができ、医療費の是正につながると掲げています。
情報を一元化し、その患者様に詳しい薬局・薬剤師がいることで、夜間や休日などの医療機関がやっていないときにもサポートができるようになります。
かかりつけ薬局で可能なこと
薬局であればどこでも「かかりつけ薬剤師」として指名することができるとは限りません。
一定以上の経験や知識があり、研修を受けて国から認められた薬剤師のみが認定されています。
そのため、かかりつけにしたい薬局で制度が使えるかどうかを確認する必要があります。
かかりつけの薬剤師を見つけるまでの流れ
かかりつけ薬剤師を利用したいと希望された場合、まずはご自身でかかりつけ薬剤師を選びましょう。
書面で同意書を交わすことで、サービスを利用することができます。
ただし指名ができるのは1人につき薬剤師1名のみで、複数の薬局ごとに指定をすることはできません。
サービスの利用料として請求されることはありませんが、通常処方薬が出る際につく「薬剤服用歴管理指導料」が「かかりつけ薬剤師指導料」に置き換わります。
医療保険が3割負担の方は、1回あたりおおよそ60〜100円程の費用負担が増えます。
一方で、夜間や休日でも相談ができる薬剤師直通の電話があり、同意書を交わしている人は追加料金なしで、いつでもそこに電話等で相談をすることができます。
薬の調整ができる
家で薬が余っていたり、いつ処方されたかわからない薬がある場合には、薬局に持参をしましょう。
ご自身で持っていけない場合には、自宅まで取りにきてもらうことも可能ですので、まずは各薬局に問い合わせてください。
普段飲んでいる薬とも照らし合わせて、処方薬の調整をすることができます。
かかりつけの薬剤師がいるメリット
かかりつけ薬剤師がいることによって様々なメリットがあります。
若干の費用負担が増えるものの、いつでも疑問が解決できるメリットを考えると、費用対効果が高い制度であるといえるでしょう。
薬の情報を一元管理してアドバイスをもらえる
複数の医療機関から薬をもらっている場合、一元管理できることが一番のメリットです。
薬同士の相性によって作用が強めあったり弱めあったりするため、飲み合わせが悪くないかを確認することができます。
また複数から同じものが同時に出ることを防ぐことができます。
夜間・休日でも相談でき、在宅での生活をサポートしてもらえる
かかりつけ薬剤師を指定している人が専用で利用でき、夜間・休日でも対応できる直通電話は、どんなときでも不安や悩みを解決できる心強い相談先になります。
必要に応じて、夜間や休日でも処方薬を受け取ることができます。
また、患者様の状態や悩みに合わせて、ご自宅に訪問してもらうこともできます。
外出が難しい方などに柔軟に対応できるようになっています。
医療チームのサポートを受けられる
かかりつけ薬剤師がきまったら丁寧に説明をしてもらえるだけではなく、患者様が地域や在宅で生活をしていく上でのサポートを、チームで受けることができます。
つまり、薬剤師だけでなく様々な人からのフォローを受けられるということです。
普段の患者様の様子をかかりつけ医に報告して、薬の使用状況から治療方針を一緒に考えます。
訪問看護を利用している人は看護師とも情報共有をして薬が飲みづらくないか、どうやったら薬を使うことが習慣化できるかなどを一緒に考えます。
ヘルパーやケアマネージャーとも連携をとり、必要であれば会議などに出席することもあります。
地域で患者様を支えられるようなネットワークを、常日頃から作っているのです。
かかりつけ薬局・薬剤師は相談のしやすさが重要
かかりつけ薬局・薬剤師とはなにか、またどのようなことができて、何がメリットなのかを解説してきました。
かかりつけ薬局をこれから決める方は、自身の日常生活や仕事の状況などを総合して、相談しやすいところを選ぶことが大切です。
とどくすりは、薬局へ行かずに処方せんの薬を宅配便で受け取れるサービスです。
処方された薬については薬剤師からオンラインで説明をするため、自宅でも職場でも、どこでも処方薬について相談することができます。
処方せんの薬の受け取りには、是非とどくすりの活用をご検討ください。
参考文献
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- 厚生労働省「かかりつけ薬剤師・薬局の推進について」
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- 公益財団法人 日本薬剤師会「かかりつけ薬剤師・薬局とは?」
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- 公益社団法人 日本薬学会「健康豆知識 かかりつけ薬剤師・薬局とは?」
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- 全国健康保険協会「6月「かかりつけ薬局」を活用しよう」