HIV治療を“続けやすく”するには?通院・薬の受け取り負担を減らす新しい選択肢

これからも患者さまが安心して治療を受けられるように、実際にHIV治療に携わっている医療関係者の方々のご意見やメッセージをご紹介します。 

渋谷院長 田中雅之(Masashi Tanaka) 先生

プロフィール

渋谷院長 田中雅之(Masashi Tanaka) 先生

KARADA内科クリニック
KARADA内科クリニック

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HIVを専門とする病院の外来は平日中心・混雑のところが少なくなく、3か月に一度の受診に有給を充てる/午前が丸ごと潰れるなど、通院が“1日仕事”になりがちだという声を多く伺います。

一方で、HIVは今や慢性疾患の一つ。必要なのは“特別扱い”ではなく、無理なく続けられる通院環境です。疾患の特性に精通した感染症専門医の関与は前提としつつ、地域のプライマリ・ケア医と力を合わせて継続支援するという考え方や提案も見受けられるようになりました。

ただ、治療開始時や効果が十分でない時期には高度な専門判断が不可欠です。さらに自立支援医療の手続き、薬剤供給や算定要件など制度面のハードルもあり、継続治療を実際に担えるクリニックは都市部でも限定的というのが現状です。

この現実を踏まえ、当法人では各院に感染症専門医が常駐し、地域のプライマリ・ケアを支えながら、感染症における専門医療として病院レベルの診療にも過不足なく対応できる体制を整えてきました。

KARADA内科では、渋谷・五反田・中野・福岡天神の複数拠点でHIV診療を行っています。ただし、自立支援医療の制度上、HIV治療の「継続診療・処方管理」は原則1つの医療機関で行う必要があります。そのため、必ずいずれかのクリニックをHIV診療拠点として選んでいただき、定期採血・診察・処方は一元的に管理いたします。

一方で、当院ではHIVの患者さんにとって、「続けやすさ」と「安全性」の両立を目指しております。具体的には、土日や夕方以降の診療、内容によってはオンライン診療にも対応しており、患者さんの生活に合わせて受診しやすい環境を整えています。急な体調不良などで普段と異なる拠点に受診された場合でも、同一法人内で情報を共有し、柔軟に対応できる体制を整えています。

時間・プライバシー・受け取りに関わる時間的・心理的な負担や手間を減らすことで、アクセスの良さとわかりやすい説明が治療の継続と安定を支えます。

院内では、HIVの方だけを特別扱いせず、すべての患者さんに同じ基準でプライバシー配慮を行います。呼び出しは番号制、氏名は声に出して呼ばない運用とし、受付や会計は文書の指差し確認で静かに確実に進めます。郵送物は原則送付しません。やむを得ず必要な場合のみ、送付先や封筒表示を事前にご本人と確認し、疾患名などの記載は行いません。 

診察室に入ったら、感染症専門医がHIVを慢性疾患の一つとして包括的に診療します。薬物相互作用・合併症管理、その他の性感染症の診断・治療に加え予防、ワクチン計画まで一貫して支援します。検査データだけでなく生活の質(QOL)を指標に、生活リズムに合う現実的な服薬などの提案をともに考え、「患者さんの人生の伴走者」として時間的・心理的な負担や手間の最小化を目指します。

なお、受診時の検査データは院内スタッフで確認のうえ医師のコメントを添えて、専用アプリでもご確認いただけます。  

継続診療・処方管理は原則「1施設」での手続きです。お選びいただいた主治療院で一元管理しつつ、必要時は同一法人内で情報共有し、日程調整や院間切り替えにも柔軟に対応します。  

私たちは、HIVの治療であっても、日常生活に馴染むかたちで無理なく続けられる医療を目指します。  

その実現を生活側から支える実用的な選択肢の一つが「とどくすり」です。 

  • 薬局に行かなくても受け取れる(自宅・職場・コンビニなど受け取り先を選べる)
  • オンライン服薬指導で、その場で疑問を解消
  • あと払い等の柔軟な決済、送料負担なしで続けやすい
  • 外装・連絡方法への配慮で、プライバシーを守った受け取りが可能

これらは時間的・心理的な負担や手間を確実に減らし、治療を毎日無理なく続ける力を高めます。  

『切らさない・迷わない・目立たない』受け取り体験を、より多くの方へお届けいただけることを期待しています。