お薬手帳を作成するメリットとは?電子お薬手帳についても併せて知っておこう

今回はとどくすり運営事務局の大倉から薬局を利用する際のお役立ち情報を配信します。

お薬手帳とは?

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「お薬手帳はお持ちでしょうか?」「次回もお薬手帳をご持参ください」など病院や薬局で聞かれた経験はないでしょうか。
病院やクリニックを受診後、薬局で薬を受け取ったことがある方であれば、必ず皆様お手元にあるかと思います。
このように皆様の身近にあるお薬手帳ですが、実際に持っていることの大切さやメリットを含めて3つのポイントに分けて詳しくご紹介いたします!

お薬手帳を正しく理解する3つのポイント

  1. ①【お薬手帳とは?】
  2. 【お薬手帳を持つことのメリット、大切さとは?】
  3. ③【処方せん薬宅配サービスでの電子お薬手帳の扱い方】

それでは、一つずつ確認していきましょう!
※ 気になるポイントに飛んで読んでいただくことも可能ですので、気になるポイントをクリックしてみてください。

①【お薬手帳とは?】

お薬手帳とは、皆様が使用したお薬の記録をする手帳です。
現在使用しているお薬があれば、
「どのようなお薬を飲んでいるのか」「どのような頻度で使用すれば良いのか」など簡単な説明が記録されています。

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お薬手帳には、冊子のお薬手帳だけでなく、電子お薬手帳もあるのはご存じでしょうか?
電子お薬手帳…お手持ちのスマートフォンにアプリをダウンロードして無料で使用可能です。日本薬剤師会が案内している「eお薬手帳」等
(参考:公益社団法人日本薬剤師会)
https://www.nichiyaku.or.jp/e-okusuri/index.html
詳しくは、以下の項で説明いたします。
他にも様々な電子お薬手帳がありますので、「冊子を持ち歩くのが面倒」、「冊子だと薬局への持参を忘れてしまう」などのお悩みがある方はぜひご利用を始めてみてはいかがでしょうか。

②【お薬手帳を持つことのメリット、大切さとは?】

薬局にお薬手帳を持参すると、医療費を42円安くすることができる場合があります。
医療費の3割を負担している場合3か月以内に、同一の薬局利用をした場合
例えば1か月に1回、1年間定期的にお薬が必要な場合、504円(42円×12か月)も節約することができます。
たった500円と言えばそれまでですが、1コインランチが出来たり、1杯のコーヒー代にもなりますのでお薬手帳を持参するだけで別のところにお金を使うことができますよね。
なぜ、「お薬手帳を持参するだけで少し医療費の負担額が安くなる場合があるか」ですが、薬局では、薬剤師がお薬手帳を確認すれば、皆様の使用したお薬の内容やお薬によるアレルギーや副作用等の内容を一目で把握できるからです。
お薬手帳では、使用したお薬の記録だけでなくお薬によるアレルギーや副作用についても記録をすることができます。

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この記録を続けることで、アレルギーや副作用が出てしまった薬を使用することなく、皆様の症状改善に「より適切なお薬」を使用できます。
また、医療費が安くなるというメリットの他にもお薬手帳を常に持つことはご自身の健康管理上、大切であることも通院状況に合わせてお薬手帳の活用方法をご覧ください。
同じお薬を飲み続けていたり、複数のお薬を飲んでいたりする場合服用している薬を記録しておくことで、現在の薬の服用状況をいつでも確認できます。複数の病院やクリニックに通院されている場合薬剤師がそれぞれの処方された薬の飲み合わせのチェックを行うことができ、より安全にお薬を使用いただけます。普段は通院をしないが緊急で受診が必要になる場合過去に使用したことのある薬をもう一度使用したい場合に、診察時に症状を伝えるのと同時にお薬手帳を見せるとスムーズな説明が可能です。また、身体に合わなかった薬やアレルギーを記録しておくことで、副作用を防ぎ、ご自身に合った薬を使用できます。
他にも災害に遭遇した場合にもお薬手帳の記録があることで、服用中の薬があれば、早く正確に必要な薬の内容を伝えることができます。

③【処方せん薬宅配サービスでの電子お薬手帳の扱い方】

とどくすりをご利用の場合は、お申し込み時に現在使用しているお薬の記録があるお薬手帳ページのスクリーンショットを撮ってアップロードしてください。
冊子になっているお薬手帳の場合も同様に、該当ページの写真を撮影してアップロードしてください。
また、とどくすり利用後のお薬の記録更新についてはアプリに読み込めるQRコードを発行し、お薬と一緒にお届けします。
冊子になっているお薬手帳の場合は、記録に残せるシールをお薬と一緒にお届けします。
冊子のお薬手帳ページにシールを張り付ける場所がなくなった場合は、新しいお薬手帳をご用意いたしますので薬剤師にお気軽にお申し付けください。

電子版お薬手帳

電子版お薬手帳とは、お薬手帳と同様の情報や、その情報を用いた各お薬の詳細情報の検索や、飲み忘れ防止アラームの搭載などの付随した機能がついている、スマートフォンアプリです。
東日本大震災の際に、お薬手帳を紛失した方の内服薬の処方に手間取ったことがきっかけで、普段から持っている携帯電話に情報が入っていればスムーズになるのではないか、という発想から生まれました。
薬局にお薬手帳を持っていくのを忘れてしまう方だけでなく、旅行先でお薬手帳を持ち合わせていない方でも対応できることが特徴です。

電子版お薬手帳の利用方法

電子版お薬手帳を活用するには、事前の準備が必要です。
利用したい場合にはあらかじめ設定しておくか、設定するための時間に余裕を持っておきましょう。

電子版お薬手帳の作成

各社が配信しているアプリからお好きなものを選んでダウンロードしましょう。
それぞれのアプリでは、マイナポータルとの連携や、飲みわすれ防止アラーム、オンライン服薬指導を受けられるなど、機能に違いがあります。
また、お薬手帳のアプリ同士でデータ移行ができるものもあるため、使用していて使いにくいと感じたら、アプリを変えることもできます。
いくつかダウンロードをして、比較してみるとよいでしょう。
利用するにあたって、利用規約への同意が必要です。
また、基本情報の登録や会員登録が必要となることが概ねあります。

お薬情報の登録方法

電子版お薬手帳の設定が完了したのち、処方薬と一緒にもらう処方薬の説明書に印刷されているQRコードを読み込むことで、処方薬が登録できます。
処方薬の内容・種類だけでなく、処方をもらった薬局なども同時に登録されます。

移行方法

紙のお薬手帳から電子版お薬手帳へ移行する際には、最新のお薬の説明書だけでなく、過去のお薬の説明書に載っているQRコードからも登録ができます。
QRコードがないものは、手入力で情報を入力します。
手入力が面倒であれば、過去のものとして保存し、新しく作成する電子版お薬手帳を更新していくようにしましょう。
また、マイナンバーと健康保険証が連携されており、薬剤情報が読み込めるアプリなら、過去の情報を手入力せずともスムーズに移行できます。

マイナンバーの活用方法

令和3年10月よりマイナンバーカードの保険証利用がスタートしました。
これを用いて受診した患者さまは、薬剤情報や特定健診情報などを、本人同意のもとで情報共有することが可能です。
また、過去の受診歴などを、マイナポータルから確認することができます。

マイナンバーカードの健康保険証利用の設定をする

電子版お薬手帳で扱われる情報は、「情報提供ネットワークシステム」によって管理されており、これを利用するためにはマイナンバーカードを健康保険証と紐づける必要があります。
設定が完了すると、マイナポータルから薬剤情報が取り扱えるようになります。
その後、各アプリから「マイナポータルと連携する」設定をすることで、過去の薬剤情報を電子版お薬手帳上で確認することが可能です。

いかがでしたか?お薬手帳は、皆様の命を守る大切な情報が記載された手帳です。もし、普段お薬手帳をご利用でない方がいらっしゃいましたらこの機会に是非ご利用を始めてみてはいかがでしょうか。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

参考文献
  • 厚生労働省「電子版お薬手帳でも、マイナポータルと連携して電子処方箋の処方・調剤情報を表示できるようになりました!」
  • デジタル庁「マイナポータルの機能追加について(令和3年10月)」