病院で処方箋をもらったものの、うっかり有効期限が切れてしまったり、どこかに置き忘れて紛失してしまったりして焦っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、処方箋の再発行が必要になった方に向けて、再発行の可否や実際にかかる費用、そして具体的な手続きの手順について詳しく解説します。最後までお読みいただければ、予想外の出費に関する仕組みを理解したうえで、慌てずに正しい対処ができるようになります。

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期限切れや紛失した処方箋の再発行はできる?

処方箋の有効期限が切れてしまった場合や、誤って捨ててしまった場合でも、処方箋の再発行は可能です。
ここでは、どこで手続きすれば再発行できるのかを解説します。
参考:厚生労働省「処方せんに関する法令の規定について【医師法・歯科医師法】」
発行元の医療機関で再発行は可能
処方箋を再発行してもらうためには、最初に処方箋を発行してくれた病院やクリニックに申し出る必要があります。
法律上、処方箋を発行できるのは医師(歯科医師を含む)だけであるため、診察を受けた医療機関でなければ対応できません。たとえば、内科で風邪薬の処方箋をもらったのであれば、同じ内科の窓口に連絡して事情を説明しましょう。
別の医療機関病院に行って再発行を求めたとしても、そこでは以前の処方内容の詳細が確認できないため、必ず元の医療機関へ連絡する必要があるのです。
調剤薬局では再発行できない
処方箋を持っていく先である調剤薬局では、処方箋の再発行を行う権限がありません。薬局の薬剤師は、医師が発行した処方箋に基づいて薬を調剤することが法律で定められています。期限が切れた処方箋を薬局の窓口に持っていき「薬を出してほしい」「日付を書き換えてほしい」とお願いしても、薬局側では対応できません。
無効になった処方箋を持って薬局へ行っても手続きは進まないため、まずは医療機関に相談しましょう。
処方箋の再発行にかかる費用は?
処方箋を再発行してもらう際に、多くの方が気になるのは費用の問題でしょう。通常の診察であれば健康保険が適用されて1割から3割の負担です。
しかし、再発行の場合は、再発行の理由や、どの段階で処方箋や薬を紛失したかによって、自己負担の割合が変わります。
期限切れや処方箋紛失での再発行は全額自己負担
自身の不注意で処方箋の期限を切らしてしまったり、紛失してしまったりした場合、医療機関での再発行費用は患者の自己負担(自費)となります。
健康保険法において、保険が適用されるのは病気やケガに対する「療養の給付」に限られており、患者側の都合による処方箋の再発行は保険給付の対象外とされているのが背景です。再診料や処方箋料が10割負担となるため、数千円程度の費用がかかる可能性があることを念頭に置いておきましょう。
処方箋の再発行だけなら調剤費用は保険適用
前述したように、処方箋の再発行にかかる費用は全額自己負担です。
しかし、まだ保険を使った調剤が行われていないため、薬局で薬を受け取る際の費用(薬代)には健康保険が適用されます。自費で再発行した処方箋であっても、薬局の窓口で健康保険証やマイナ保険証を提示しましょう。通常通り1割から3割の自己負担で薬を受け取れます。処方箋の再発行費用はかかっても薬代まで全額負担にはなりません。
薬を受け取った後では再発行も調剤も全額自己負担
すでに健康保険を適用して薬が支給されている場合、同期間内に同一の薬を保険で出し直すのは原則として認められていません。薬局で薬を受け取ったあとに紛失し、再処方を依頼した場合は費用負担が大きくなります。医療機関での再診料や処方箋料だけでなく、薬局での調剤技術料や薬代もすべて全額自己負担となってしまいます。
高額な自費での再購入につながる恐れがあるため、受け取った薬は大切に保管しましょう。
処方箋を再発行してもらう具体的な手順

実際に処方箋の再発行が必要になった場合、どのような手順で動けばよいのでしょうか。医療機関のルールによって対応が異なる可能性もあるため、順序立てて手続きを進めるのがおすすめです。
ここでは、スムーズに薬を受け取るための具体的な手順を順番に解説していきます。
ステップ1:発行元の医療機関へ電話で連絡する
処方箋の期限切れや紛失に気づいたら、まずは発行元の医療機関へ電話で連絡しましょう。
いきなり窓口を訪問すると、医師の診察状況やカルテの確認に時間がかかり、長時間待たされる恐れがあります。電話口で受診日と処方箋が期限切れまたは紛失した旨を伝え、今後の対応について指示を仰ぎましょう。事前に連絡を入れておくことで、その後の手続きがスムーズに進むはずです。
ステップ2:指示に従って受診や手続きを進める
電話の案内に従って医療機関を受診するか、窓口で再発行の手続きを行いましょう。
医療機関によっては、現在の体調変化を確認する目的で医師の再診を求められるケースがあります。窓口で手続きをする際は、身分証明書や健康保険証とともに、期限切れの処方箋が残っている場合は併せて持参するのがおすすめです。再発行の費用は全額自己負担となるため、現金の支払い準備をしておくとより安心でしょう。
ステップ3:処方箋を4日以内に薬局へ提出する
処方箋が再発行されたら、当日のうちに調剤薬局へ向かうのが理想的です。再発行された処方箋にも、発行日を含めて4日間の有効期限が新たに設定されています。
日数を空けると再び有効期限が切れ、同様の手続きと費用が発生しかねません。医療機関を出たらそのまま薬局へ向かい、速やかに処方箋を提出しましょう。
処方箋の期限切れや紛失を防ぐ対策ポイント

処方箋の再発行には手間もお金もかかってしまうため、最初から再発行にならないよう予防するのがおすすめです。忙しい日常生活のなかでも、少しの工夫や意識づけで処方箋のトラブルを防げるでしょう。
ここでは、患者さん自身が今日から実践できる3つの具体的な対策をご紹介します。
ポイント1:発行された当日中に薬局へ提出する
確実な対策として、医療機関で処方箋を受け取った後、当日中に薬局へ立ち寄るのがおすすめです。自宅に持ち帰ってしまうと、置き忘れや他の書類に紛れて見失うリスクが高まります。すぐに薬を受け取れない場合でも、処方箋の提出を済ませておけば、後日薬を受け取ることも可能です。
医療機関と薬局はセットで訪問するよう習慣づけると、トラブルを防ぎやすくなるでしょう。
ポイント2:期限内に行けない場合は事前に医師へ相談する
出張や仕事の都合などで、処方日を含めて4日以内に薬局へ行けないとわかっている場合は、診察時に医師へその旨を相談しましょう。処方箋の有効期限は原則4日間ですが、特別な事情があると医師が判断した場合は、備考欄への記載により期限の延長が認められています。窓口で処方箋を受け取った後では書き直しが難しいため、診察室で医師へ直接伝えるのがおすすめです。
事前に事情を共有しておけば、無理のないスケジュールで薬を受け取れるはずです。
参考:厚生労働省「処方箋の使用期間について(事務連絡)」(PDF)
ポイント3:事前送信やオンライン受付薬局サービスを活用する
最近は、スマートフォンのアプリなどを活用し、処方箋の画像を事前に薬局へ送信できるサービスが増加しています。医療機関で処方箋を受け取った際、すぐに撮影して送信しておくと、紛失のリスクを軽減できるでしょう。
原本を持ち込む前に調剤の準備を進めてもらえるため、薬局での待ち時間短縮にもつながります。ただし、薬の受け取りには処方箋の原本が必要なため、送信後も大切に保管して薬局へ持参しましょう。
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まとめ
この記事の要点をまとめます。
- 処方箋の再発行は医療機関で可能だが費用は全額自己負担になる
- 再発行の処方箋での調剤費用は保険適用になる
- 薬を受け取った後に紛失した場合は調剤費用も全額自己負担になる
- 再発行の手続きは、まず元の医療機関に電話で相談すること
- 再発行を防ぐために、処方箋は当日中に薬局へ提出するのがおすすめ
処方箋の期限切れや紛失は誰にでも起こり得ることですが、正しい知識を持っていれば慌てずに対処できるでしょう。

