むくみを解消するための方法を紹介。食べ物やマッサージで改善を試みよう

むくみ

「靴下のあとがなかなかとれない」、「夕方になると履いていた靴がきつくなる」など、むくみに悩まされている人は少なくありません。
健康な方でも一時的に起こる症状であり、セルフケアで軽減することが期待できます。
しかし症状が長く続くようなら、何らかの病気が関連している可能性があるため、早めに病院を受診しましょう。

本記事ではむくみの特徴や、改善するためのポイントについて詳しく解説します。

むくみが出る部位

むくみは「浮腫」とも呼ばれ、皮下組織に水が溜まった状態をいいます。
皮下組織に溜まった水分は、細胞と細胞の隙間などに溜まるため、重力によって下に落ちやすくなります。
そのため、むくみが出やすい部位は足が多いですが、顔やまぶた、手や腕もむくみが出やすいです。

心臓から遠く、重力の影響で水分が溜まりやすい足は、最もむくみが出やすい部位です。
ふくらはぎや足首、膝まわりなど、血液やリンパの流れが滞りやすい部分が目立ちやすくなります。

顔、目元

顔は皮膚が薄く、むくみが現れやすい部分です。
特に寝起きに目立つことが多く、目元がむくむと腫れているように感じることもあります。

手、腕

長い時間、腕を動かさなかったり、同じ姿勢でいたりすることで、手指や腕がむくむことがあります。
見た目では分かりにくいこともありますが、指輪がきつくなって気が付く場合が多いです。

むくみが起こる理由

むくみには、一時的なものと、病気が原因で引き起こされているもの、大きく2つあります。
一時的なものには、ホルモンバランスや水分代謝が乱れることで引き起こされるものがあり、病気が原因で引き起こされているものには、心疾患・腎疾患・甲状腺機能低下症などがあります。

リンパ浮腫

リンパ液は体内で老廃物や余分な水分を排出する役割を担っています。
このリンパ液が正常に循環せず、むくみなどの症状を引き起こした状態をリンパ浮腫といいます。
リンパ浮腫は癌の治療に関わっていることが多く、手術でリンパ節を切除したり、放射線治療でリンパ管が損傷したりすることが原因でリンパの流れが滞り、むくみが生じます。

朝・寝起き

寝ている間は血液の循環が緩やかになっているため、リンパの流れも遅くなり、老廃物や余分な水分が体内に滞りやすくなります。
立っている時は重力で水分が下に溜まりやすくなるため下腿(ひざから足首までの部分)がむくみやすくなりますが、寝ている間は重力が均等に分配されるため、下腿と共に顔もむくみやすくなります。

生理前

女性ホルモンには、体の水分バランスを調整する働きがあります。
生理前はホルモンバランスが乱れることにより、むくみが起きやすくなります。
さらに、生理前にはストレスから血流が悪くなりやすいため、それが原因でむくみやすくなることもあります。

更年期

更年期は生理前と同様に、ホルモンバランスが崩れることによってむくみやすくなります。
また、更年期は加齢や運動不足が原因で筋力が落ちやすい時期であり、筋力低下はリンパの流れを悪化させむくみを引き起こしやすくなります。
更年期障害と、なりやすい時期や症状が似ている病気に「甲状腺機能低下症」があります。
むくみと一緒に、声がかすれる、毛が抜けるなどの症状がみられた場合は一度医療機関を受診してみましょう。

産後

出産で羊水などの水分が一度に大量に出たことや、母乳を出すことで、水分バランスが崩れ、むくみやすくなることがあります。
また、産前産後は安静に過ごす必要があるため筋力が低下することや、授乳のために同じ姿勢で座っている時間が長いことから血流が滞りやすくなります。

飲酒後

アルコールには利尿作用があり、飲酒直後は尿が出やすくなります。
そのため体は一時的に脱水状態となり、水分を保持しようと働くため、むくみが生じることがあります。
また、アルコールと一緒に食べるおつまみは塩分が多く含まれていることが多く、塩分を過剰に摂取することで体に水分を溜め込みやすくなります。

むくみ解消におすすめの食べ物

むくみを解消するには、食生活を見直すことが大切です。
バランスの良い食事を心がけると共に、減塩やカリウムの摂取を意識しましょう。

減塩につながる食べ物

体には体内の塩分濃度を保つ働きが備わっており、塩分(ナトリウム)を過剰に摂ると、それを薄めようと水分を溜め込むようになります。
そのため減塩を意識することは大切で、ハーブやスパイス、ネギやにんにく、生姜などの香味野菜を活用すると、塩分が少なくても美味しく食べることができます。

カリウムの多い食べ物

塩分を排出する働きのあるカリウムは、むくみ予防に積極的に取り入れたい栄養素です。
カリウムは野菜や果物、芋類、豆類、海藻類に多く含まれています。
水に溶けやすい性質があるため、水にさらしたり茹でこぼしたりするとカリウムの含量が減少します。
摂取しやすい身近な食材としてはバナナやさつま芋、アボカド、ほうれん草、トマトジュースなどがあります。
※注)腎疾患等でカリウム制限をしている場合は摂取を控えてください。

むくみの改善方法

食生活の改善の他に、マッサージや運動、体を温めることが有効です。
一時的なむくみの場合はセルフケアで軽減することができますが、なかなか症状が改善しない場合は一度医療機関を受診して医師に診てもらいましょう。]

マッサージや軽い運動

同じ姿勢が続くと体液が滞る原因となりますので、マッサージや軽い運動、ストレッチで循環を良くしておきましょう。
運動には筋力低下を防ぐメリットもあります。

体を温める

体が冷えると血行が悪くなり、むくみやすくなる原因になります。
シャワーだけですまさずに湯船につかることや、冷たいものを摂りすぎないなど、意識的に体を温めることが大切です。

薬を使用したむくみの治療法

薬によるむくみの治療は、むくみの原因がはっきりとしている場合に選択されることが多い傾向です。

市販薬・処方薬

むくみに対して病院で処方される薬は、主に利尿剤や漢方薬です。
市販薬では漢方薬が中心となります。

漢方薬

漢方薬は飲む人の体質や症状によって合うものが異なるため、使用する前に医師や薬剤師と相談するのが良いでしょう。
「五苓散(ごれいさん)」や「防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)」、「藿香正気散(かっこうしょうきさん)」などがむくみの改善に使用されます。
漢方薬は体質改善を目的としており、継続して飲むことが重要です。

むくみの原因ごとに適切に対応しましょう

一時的なむくみは食事や生活習慣の改善で軽減することができますが、慢性的にむくみが生じる場合は、心臓や腎臓の病気が関連している場合もあります。
定期的に健康診断を受け、むくみが気になる場合は早めに専門医に相談するのが安心です。

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参考文献
  • 国立長寿医療研究センター 足の腫れ・むくみの原因は?
  • 国立がん研究センター リンパ浮腫についての基礎知識