アトピー性皮膚炎は、乾燥でバリア機能が弱まったところに刺激や体質が重なり、かゆみや湿疹を繰り返しやすい皮膚の病気です。
本記事では、主な原因を3つに整理し、大人・子どもで異なる特徴や悪化要因、治療と日常対策までをわかりやすく解説します。
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アトピー性皮膚炎の主な原因とは
アトピー性皮膚炎は、一つの原因で発症する病気ではありません。肌の乾燥でバリア機能が弱まり、そこへ刺激やアレルギーが重なることで、かゆみや炎症が続きやすくなります。ここでは、症状が悪化する流れを理解するために、原因を「乾燥・環境・体質」の3つに分けて整理します。
皮膚の乾燥やバリア機能の低下
皮膚の表面には、外からの刺激を防ぎ、うるおいを保つ「バリア機能」があります。アトピー性皮膚炎の方は、保湿に必要なフィラグリン(タンパク質)が少ない傾向があるとされ、水分が外に出ていきやすくなり乾燥します。
さらに、セラミド(バリア機能を担う保湿成分)が不足することで、皮膚の乾燥が進みやすくなります。皮膚の乾燥が進むと、角質層(皮膚の最も外側にある層)の水分や皮脂が不足し、すき間ができて刺激が入りやすい状態になるのです。
そのような状態になると、わずかな摩擦や汗でもかゆみが出やすくなり、掻くことで皮膚が傷ついてさらに乾燥が進む悪循環に陥りやすくなります。
参考文献
外部からの刺激による環境要因
アトピー性皮膚炎は、環境から受ける刺激で症状が出やすいのも特徴です。例えば、汗が皮膚に残ると刺激になり、かゆみや赤みが出ることがあります。
衣類のこすれ、石けんや洗剤、乾燥した空気、気温差なども要素の一つになり得ます。花粉やほこり、ダニなどが関わる場合もあり、体調や季節によって悪化しやすい方もいます。自分の悪化するパターンを把握し、刺激を減らす工夫を重ねることが大切です。
アレルギー体質
家族にアトピー性皮膚炎や気管支喘息、アレルギー性鼻炎などがある方は、体質として発症しやすい傾向があります。
アレルギー体質の方は、体の防御反応(免疫)が過敏に働きやすく、ハウスダストやダニ、花粉、動物の毛などの「アレルゲン(原因物質)」に反応して皮膚に炎症が起こりやすくなります。炎症が起きるとかゆみが出やすく、掻くことで皮膚が傷つきバリア機能が弱まりやすくなるのです。
ただし、アレルギーがあるから必ず発症するというわけではありません。乾燥、汗、摩擦などの刺激が重なると症状が悪化しやすいため、体質だけでなく日常の環境や肌状態もあわせて考えることが大切です。
参考文献
アトピー性皮膚炎は大人と子どもでは異なる?特徴について

アトピー性皮膚炎は、年齢によって発症しやすい身体の部位や悪化しやすい時期が少し変わります。ここでは、大人と子どものそれぞれの好発部位や特徴について解説します。
好発部位が異なる
アトピー性皮膚炎は、年齢で湿疹が出やすい場所(好発部位)が変わる傾向があります。以下の表は、年齢ごとに好発部位について表でまとめたものです。
| 年齢 | 症状が出やすい部位 |
|---|---|
| 乳児期(1歳未満) |
顔(ほほ・口まわり)、頭、額 進行すると顔全体や体幹、手足 |
| 幼児期・学童期(1〜6歳ごろ) |
首、脇の下、肘窩(腕の内側のくぼみ)、膝窩(膝の裏) 股関節、手首、足首などの関節部 |
| 思春期〜成人期(13歳以上) |
首、顔、胸・背中 肘窩(腕の内側のくぼみ)、膝窩(膝の裏)、手 |
参考文献
子ども・思春期に悪化しやすい
子どものアトピーは、年齢が小さいほど発症する方が多い傾向があり、成長とともに減っていくと報告されています。以下の表では、年齢ごとにアトピー性皮膚炎の有症率を表で表したものです。
上記の結果から、乳児期〜幼児期に発症する割合が高いことがわかります。できる限り、乾燥・汗・摩擦などのきっかけを減らし、悪化のサインに早めに気づくことが大切です。
参考文献
大人になってから発症・再発することがある
アトピー性皮膚炎は、乳児期〜幼児期にかけて発症することが多く、年齢を重ねるごとに徐々に減少する傾向です。しかし、一定数の方が成人型のアトピー性皮膚炎へ移行することがわかっています。
以下の表は、「アトピー性皮膚炎診療ガイドライン」の調査による、年代別のアトピー性皮膚炎の有症率をまとめた表です。
男女別の有症率では、女性が高い傾向にあり、特に20歳代女性で高いとされています。この結果から、20〜30代の若い成人において、頻度の高い疾患であることがわかります。
参考文献
アトピーの原因を調べる方法(診断・検査)

アトピー性皮膚炎は、見た目だけで原因を決めるのは難しく、自己判断で対策すると適切な治療ができずに悪化する可能性があります。
医療機関では、まず医師による問診で症状の経過や悪化のきっかけを整理し、必要に応じて血液検査などでアレルギーの関与を確認します。ここでは、診断や検査方法について解説します。
診断:医師による問診
アトピー性皮膚炎の診断では、医師が皮膚の状態を確認しながら、問診で症状の背景を整理していきます。以下は、医師からよく聞かれる項目についてまとめました。
問診で確認されることがある主な項目
- 発症時期・症状の出る部位や広がり方
- かゆみの程度や日常生活への影響
- 生活環境について(汗・乾燥・摩擦・季節変化・ストレス・使用している化粧品など)
- 本人または家族にアレルギー疾患があるかどうか
- これまでの治療内容(外用薬・保湿ケア・内服薬など)とその効果
※上記は、医師によって診察時に確認されることがある項目の一例です
受診前に、症状が強い時間帯や使ったケアをメモしておくと伝えやすくなります。
検査:アレルギー検査(血液検査・皮膚テスト)
アレルギー検査は、アトピー性皮膚炎が悪化している可能性のある要素を調べる目的で行われます。
血液検査では以下の値を計測します。
検査で数値が高値であっても必ず症状の原因になっているとは限りません。反対に、検査が陰性でもアトピー性皮膚炎ではないと断定できるわけではないため、検査結果は症状の出方や生活環境と合わせて、医師が総合的に判断します。
皮膚テストには「プリックテスト」などがあります。皮膚に少量のアレルゲンをつけ、反応の有無を確認する検査です。食物やダニなどが関係しているかを調べる際に用いられることがあります。
参考文献
アトピー性皮膚炎が悪化する4つの原因

アトピー性皮膚炎は、治療していても症状がぶり返すことがあります。悪化する背景にはきっかけがあり、減らすと症状が落ち着きやすくなります。ここでは、日常生活で起こりやすい悪化要因を4つにまとめています。
1.乾燥・汗・摩擦などの物理的刺激
乾燥した肌はバリア機能が弱く、外からの刺激を受けやすくなります。そこに汗が残ったり、衣類やタオルのこすれが加わったりすると、かゆみや赤みが出やすくなります。
以下の表は、かゆみを引き起こす要因となりやすいものをまとめた表です。
参考文献
2.間違ったスキンケアによる悪化
スキンケアはアトピー性皮膚炎の治療法の一つとして、皮膚を乾燥から守る重要な役割をはたします。しかし、自己流で行い、方法が肌に合っていないと悪化する要因になります。
例えば、以下の行動は悪化のきっかけになりやすいです。
- 熱いお湯で長く入浴する
- 洗浄力の強い石けんでゴシゴシ洗う
- アルコールや香料が多い化粧品を使う
上記は、皮膚のうるおいを奪い刺激になりやすい行動です。
アトピー性皮膚炎のスキンケアは、正しい知識のもと毎日続けることで、かゆみや赤みなどを軽減してくれます。
3.自己判断で治療を中断する影響
症状が落ち着くと、塗り薬や保湿を自己判断でやめてしまう方は少なくありません。しかし、見た目が良くなっても皮膚の内部に炎症が残っていることがあり、治療を急に止めると再燃しやすくなります。
特に外用薬は、医師が症状に合わせて強さや回数を調整します。自己判断で中断したり、逆に必要以上に使ったりすると、コントロールが難しくなることがあります。
再発を繰り返すと皮膚が厚く硬くなることもあるため、治療は「良くなったら終わり」ではなく、落ち着いた状態を保つことが大切です。
4.かゆみの悪循環による症状の長期化
アトピー性皮膚炎のつらさは、激しいかゆみが続くことです。かゆみで掻いてしまい、皮膚を傷つけると、バリア機能がさらに低下します。すると外部から刺激が入りやすくなり、炎症が強くなって、またかゆくなるという悪循環が起こります。
特に夜間は無意識に掻きやすく、睡眠不足も重なって回復が遅くなる傾向があります。悪循環を断つには、炎症を抑える治療と保湿を続けることが大切です。
アトピー性皮膚炎の治療や対策について
アトピー性皮膚炎の対策は、大きく分けて「薬で炎症を抑える」「スキンケアでバリアを守る」「悪化要因を減らす」の3つが基本です。ここでは、治療の基本をわかりやすくまとめます。
薬物療法
薬物療法は、アトピー性皮膚炎のかゆみや赤み、湿疹などの炎症を抑えて症状を落ち着かせるための治療です。使われる薬は大きく「外用薬(塗り薬)」「内服薬(飲み薬)」「注射薬」に分かれます。
薬は、医師が症状の強さや湿疹が出ている部位に合わせて選びます。炎症が強い時期は、まず外用薬で炎症を抑え、落ち着いてきたら薬の強さや塗る回数を調整していくのが一般的です。たとえば、強めのステロイド外用薬でコントロールした後に、弱いステロイド外用薬やステロイドを含まない外用薬へ切り替える場合があります。
内服薬は、かゆみを抑える目的で外用薬と併用されることがあります。治療内容によっては、炎症に関わる働きを抑える薬(JAK阻害薬など)が選択されることもありますが、適応や注意点があるため医師の判断が必要です。
注射薬(デュピクセントなど)は、外用薬や内服薬だけでは十分にコントロールできない場合に検討される治療です。重症度やこれまでの治療経過を踏まえて、医師が適応を判断します。
参考文献
スキンケア
アトピー性皮膚炎におけるスキンケアの目的は、肌の乾燥を防ぎ、皮膚のバリア機能を守ることです。以下に、スキンケアのポイントをまとめています。
日常生活で意識したいポイント
1.皮膚の清潔
毎日の入浴・シャワー
・汗や汚れは速やかに落とす(強くこすらない)
・石けん・シャンプーは洗浄力の強いものを避ける
・洗い残しがないように十分すすぐ
2.皮膚の保湿
保湿剤の使用
・入浴・シャワー後は5分以内を目安に保湿剤を塗布する
・使用感がよく継続しやすい保湿剤を選ぶ
3.その他の生活上の工夫
・室内を清潔に保ち、適温・適湿を意識する
・衣類や寝具など、皮膚への刺激を避ける
・爪を短く整え、ひっかきによる皮膚の傷を防ぐ
参考文献
悪化する原因の対策
アトピー性皮膚炎は、悪化する要因をできるだけ避けて、改善に努めることが大切です。以下は、悪化しやすい要因とその対策についてまとめています。
| 悪化しやすい要因 | 対策 |
|---|---|
| 温度・発汗 |
・室温・湿度を整える(加湿・換気) ・汗はこすらず押さえて拭く ・汗をかいたらできるだけすぐに着替える ・入浴後は早めに(できれば5分以内)保湿する ・入浴は熱いお湯を避ける |
| 衣類 |
・直接肌に触れるものは綿など刺激の少ない素材にする ・タグや縫い目が当たる服を避ける ・新しい服は洗ってから着る |
| 精神的ストレス |
・十分な睡眠を心掛ける(7〜8時間ほど) ・短時間でも休憩を入れる |
| 食物・飲み物 | ・疑わしい場合は医師に相談し、検査で確認する |
| 感冒(かぜ) |
・症状がひどい場合や長引く場合は受診する ・普段より念入りに保湿を心掛ける |
自分の悪化しやすいパターンを把握しておくと対策が立てやすくなります。症状が続く場合は我慢せず受診し、医師とともに治療方針を見直しましょう。
本記事のまとめ
アトピー性皮膚炎の治療では、塗り薬や保湿剤などを継続して使い続けることが重要になります。
その一方で、診察後に薬局が混雑して長時間待たされたり、体調がすぐれず移動や待ち時間が負担になったりと、薬の受け取り自体がストレスに感じられる方も少なくありません。
そのようなときの選択肢として、処方せんの受付から服薬指導までをオンラインで行い、薬をご自宅まで届けてもらえる「とどくすり」を活用する方法があります。薬局での待ち時間や移動の手間を減らせるため、忙しい日常の中でも治療を続けやすくなります。
なお、本記事では「アトピー性皮膚炎の3つの原因とは?大人・子ども別の特徴と悪化要因」についても解説しました。症状の背景を理解し、自分に合った治療やケアを考える際の参考になれば幸いです。

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