病院・クリニック様への導入事例​

「とどくすり」及び「あと払いbyとどくすり」を導入した経緯や導入後の効果などについてお伺いました。​

―”薬局にある薬を出す”からの脱却―とどくすりで実現した理想の診療とは? 

野本真由美クリニック銀座様 

「近隣の薬局に在庫があるか」を気にして、本当に処方したい薬を諦めた経験はありませんか?

この記事では、門前薬局を持たないクリニックが抱える「患者様への申し訳なさ」や「在庫確認・疑義照会の業務ストレス」を解消し、医師が理想とする医療を実現する方法について解説します。

今回は、野本真由美クリニック銀座の院長である野本真由美先生に、処方せん薬宅配サービス「とどくすり」を導入した背景とその劇的な効果についてお話を伺いました。

※「とどくすり」から先生にインタビューし、頂いたコメントを編集して掲載しています。

野本 真由美先生が患者様への診療で大事にされていること

野本 真由美先生が患者様への診療で大事にされていること

まずは、野本先生が長年のキャリアの中で築き上げてきた診療方針について伺いました。皮膚の表面的な症状だけでなく、患者様の「人生」そのものに向き合う姿勢が、先生の治療の根幹にあります。

皮膚を見るのではなく、人を“診る“

私は大学病院での勤務を経て、現在は「難治性の肌トラブル」に悩む患者様を中心に診療を行っています。当院が何よりも大切にしているのは、「皮膚を見るのではなく、人を診る」というスタンスです。

皮膚は単に体の外側に張り付いている臓器ではありません。内臓やホルモンバランス、そしてその人の生活背景を映し出す鏡のような存在です。だからこそ、当院では皮膚の状態だけでなく、内分泌や婦人科系のデータ、骨密度なども含めて総合的に診療を行います。

たとえば、更年期の女性であれば、家庭の悩みや体調の変化を共有しながら治療方針を決めますし、闘病中の方であれば「辛い治療中でも綺麗でいたい」という気持ちに寄り添います。漢方薬だけでも148種類を使い分け、その患者様にとっての「最適解」を提案することが、私の診療の根幹にあります。

薬を足すだけでなく、まず原因を取り除く“引き算“を大切に

治療において私が意識しているのは、「引いて、足す」というプロセスです。顔が赤いからといって、すぐに薬を出すだけでは根本的な解決にならないことがあります。

例えば、部屋を綺麗にする時を想像してみてください。散らかった部屋に新しい家具を買っても、部屋は美しくなりませんよね。まずは掃除をして不用品を捨て、綺麗にしてから家具を入れるはずです。皮膚治療もこれと同じです。

パッチテストなどで徹底的に原因を探り、生活習慣や合わない化粧品などの要因を取り除く「引き算」を最初に行います。その上で、必要な治療を「足す」のです。このプロセスを経ることで、こじらせてしまった難治性の症状であっても、着実に改善へと導くことができます。

患者様の「人生」や「気持ち」に寄り添う

私は医師として、「難しい方向に行く」と決めてキャリアを歩んできました。体の皮膚トラブルよりも、顔の中心にある悩みは患者様の心に深く関わり、治療の難易度も高いからです。

だからこそ、患者様の人生や気持ちに寄り添うことを大切にしています。ニキビ一つをとっても、胃腸の調子が原因かもしれないし、生理不順がサインを送っているのかもしれません。「皮膚科だから皮膚しか見ない」のではなく、その人の人生背景まで含めて診ることで、本当の意味での信頼関係が築けると考えています。

野本先生が患者様の診療で抱えていた「3つの苦悩」

理想の医療を追求する一方で、野本先生は「門前薬局を持たない」という環境特有の課題に直面していました。患者様への申し訳なさや、日々の業務における具体的なストレスについて、率直な胸の内を語っていただきました。

患者様を「薬局ジプシー」にしてしまう罪悪感

こだわりの診療を行えば行うほど、ある現実的な壁にぶつかりました。それは、当院のような都市部のビル診療所には、特定の「門前薬局」がないという問題です。

私が患者様に最適だと考えて処方した薬が、近隣の薬局に在庫がないことが多々あります。その結果、患者様は薬を求めて何軒も薬局を探し回る「薬局ジプシー」になってしまうのです。

「在庫がないので取り寄せになります」と言われ、再度足を運ばなければならない患者様の負担を思うと、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいでした。最悪の場合、処方箋の有効期限である4日間が過ぎてしまい、薬を受け取れなかったというケースも発生していました。医師としてベストな処方をしたはずが、結果として患者様を苦労させてしまっている現実に、私は強い罪悪感を抱えていました。

薬局カウンターで患者様が「羞恥心」と「不安」を感じてしまうことも

また、薬局という環境そのものが抱えるプライバシーの問題にも悩まされていました。

例えば、とある女性の患者様に、デリケートな部位の薬を処方したとします。私は配慮して処方箋には「患部に」と記載したのですが、薬局のカウンターで、大勢の人がいる前で「これ、患部ってどこですか?」と聞かれてしまうのです。患者様は非常に恥ずかしい思いをして、「もう薬はいいです」と治療を諦めかけてしまう事態になります。

さらに、医師が診察室で時間をかけて説明し、リスクも含めて合意形成をした治療であっても、薬局で「副作用が怖いですよ」と過度に強調されてしまうこともあります。医師と薬剤師の間で情報の共有がうまくいかず、患者様が不安になり、服薬を中断してしまう。診察室での信頼関係が、薬局での一言で崩れてしまうことへの無力感がありました。

薬局はそれが仕事のため、薬局が悪いという訳ではないです。ただ、このジレンマが大きな悩みとなっていました。

スタッフと医師を疲弊させる「電話対応」と「薬の在庫確認」

そして3つ目の悩みは、クリニック運営上の業務負担です。

「先生が出したこの薬、どこの薬局ならありますか?」という患者様からの問い合わせに対し、受付スタッフは何軒もの近隣薬局に電話をかけて在庫確認をしていました。これは本来の業務を圧迫し、スタッフにとっても大きなストレスになっていました。

医師である私自身も、疑義照会の電話に悩まされていました。例えば、あえて刺激を避けるために「朝」の使用を指示した処方に対し、マニュアル通りに「夜の間違いではありませんか?」という電話がかかってきます。

その都度、診察の手を止めなければならず、集中力が削がれる日々でした。

野本先生が実際に体験した、患者様へとても申し訳なくなった出来事

特に忘れられない出来事があります。ある時、効果が高いと思われる新しいバイオ製剤(新薬)が登場しました。「これなら治るかもしれない」と思い、患者様に熱心に説明し、処方を決めました。

しかし、診察から30分、患者様が一向に帰る気配がないのです。それから、私の元へ来て「先生、やっぱり前の薬でいいです。5軒電話したけれど、どこの薬局にも置いてありませんでした」と。

私はその時、自分の無力さを痛感しました。私が最初から在庫リスクを考えて無難な薬を出していれば、患者様は30分も電話をかけ続ける必要はなかったのです。しかし、それでは最善の医療を提供したことにはなりません。このジレンマは、私の中で非常に大きな棘(とげ)となって刺さっていました。

「とどくすり」で実現した薬の宅配が悩みの解決策に

抱えていた数々の課題を一挙に解決したのが、処方せん薬宅配サービス「とどくすり」でした。導入によってクリニックの診療スタイルや患者様の体験がどのように変わったのか、具体的なエピソードと共に紐解きます。

「とどくすり」とはどんなサービスか?

「とどくすり」とは、薬局での待ち時間をなくし、オンラインでのお薬の説明(服薬指導)を受けて処方せん薬を送料無料でご自宅やコンビニ等へお届けする、処方せん薬宅配サービスです。

最初は「院内処方に戻すべきか」とも悩みましたが、100種類以上の在庫を抱えるリスクや管理コストは現実的ではありませんでした。しかし、「とどくすり」であれば、在庫管理はすべてお任せできます。その点が導入の決め手となりました。

導入しない理由がない?!「とどくすり」導入後に変わったこと

「とどくすり」導入後、スタッフに意見を聞いたところ、「デメリットが見当たりません」という返事をもらったとのことです。具体的に何が「とどくすり」の良い点として感じていただけているのかも伺いました。

「近隣薬局の在庫」を気にせず、本当に出したい薬を選べるように

導入後、最大のメリットだと感じているのは、「薬局にあるものを出す」という制約からの完全な脱却です。

148種類の漢方薬も、一般の薬局では在庫を置きたがらない高額なバイオ製剤も、「とどくすり」なら在庫の有無を気にする必要がありません。「近くの薬局にないから」という理由で処方を妥協することがなくなり、医師として本当にその患者様に必要な治療を、自信を持って提供できるようになりました。これは、門前薬局を持たないクリニックにとって革命的な変化です。

医師の意向通りに処方したい薬が患者様に渡るように

また、医師の意図が正しく患者様に伝わるようになったことも大きな変化です。

「とどくすり」では、担当薬剤師の個人の見解に左右されず、均質で正確な服薬指導が行われます。以前は、薬局での説明が私の意図と食い違って伝わり、患者様から「先生の話と違い、薬局でおすすめされた薬に変えました」と言われるなど、本来お渡ししたい薬とは違うものが患者様の手に渡ってしまうことがありました。

しかし導入後は、そうした情報の乖離(かいり)による混乱がなくなり、私の処方意図通りに、安心して治療を継続していただけるようになりました。

さらに、軟膏のミックス(混合薬)のように調剤に時間がかかる処方でも、患者様は薬局で長時間待つ必要がありません。自宅で待っていれば届くため、待ち時間のストレスからも解放されました。

「とどくすり」の効果を実感した、具体的な出来事

先ほどお話しした、新薬が見つからずに治療を諦めかけた患者様のケースも、今なら全く違う結末になります。「とどくすり」を利用すれば、患者様が自分で薬局を探し回る必要は一切ありません。希少な新薬であっても、システムを通じて在庫を確保し、ご自宅まで届けてくれます。

「せっかく良い薬があるのに、手に入らないから使えない」という悲しい事態はゼロになりました。患者様にとっても、薬局を探す手間や、プライバシーを侵害される不安がなくなり、治療へのモチベーション(アドヒアランス)が明らかに向上していると感じています。

野本 真由美先生が「とどくすり」と歩む今後について

サービスの導入で大きな成果を感じている野本先生ですが、その視線はすでに「次なる医療の形」に向けられています。機能への具体的な期待や、これからの薬剤師との連携のあり方について伺いました。

今後「とどくすり」に期待すること

今後は、患者様の治療継続をサポートする機能がさらに充実することを期待しています。

例えば、処方日数が終わる頃に「お薬はなくなっていませんか?」というリマインド通知が届けば、患者様の再受診のきっかけになります。特にニキビ治療などは、症状が落ち着くと通院をやめてしまう方が多いのですが、完治までしっかりと伴走するためには、こうしたプッシュ型の通知が非常に有効だと考えています。

また、どのようなお薬の説明(服薬指導)が行われたかを医師側も共有できる仕組みがあれば、さらに安心して連携ができるでしょう。

野本先生が描く、薬の宅配が更に普及した医療業界での薬剤師の在り方

私は、「とどくすり」のようなサービスが普及することで、薬剤師の働き方もより良いものに変わっていくと信じています。

在庫管理や単純な受け渡し業務、そして医師との不毛な電話連絡から解放されれば、薬剤師はもっと本来の専門性を発揮できるはずです。例えば、「漢方に詳しい薬剤師」「バイオ製剤のスペシャリスト」といったように得意分野を活かして活躍できれば、医師としても安心して任せることができます。

医師と薬剤師がお互いの専門性をリスペクトし合い、ストレスなく連携できる。それが、これからのあるべき医薬分業の姿ではないでしょうか。

さいごに:これから「とどくすり」との連携を検討している医療機関へのメッセージ

これから「とどくすり」との連携を検討している医療機関へのメッセージ

インタビューの締めくくりに、導入を検討されている先生方へ下記メッセージをいただきました。

「在庫管理からの脱却」がもたらす経営的・精神的なメリットは、多くの医療機関にとって大きな気づきとなるはずです。門前薬局を持たないクリニックの先生方、そしてこだわりの処方を実践したいとお考えの先生方に、私は心からこのサービスをおすすめします。

「薬局にあるものを出す」という妥協から脱却し、在庫管理のリスクやコストを負うことなく、理想の治療を追求できる環境がここにあります。スタッフの電話業務も激減し、クリニック全体の生産性も向上しました。

先生のこだわりを、在庫や薬局事情で諦める必要はもうありません。患者様のため、そして先生ご自身の理想の医療のために、新しい選択肢を取り入れてみてはいかがでしょうか。