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視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)
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感染症の不安もあって、薬局で待ちたくない、薬の副作用や飲み合わせ等の不安をすぐに相談したい、などなど。薬局から、NMOSDの皆さんに寄り添ってできること、始めました。

視神経脊髄炎スペクトラム障害(NMOSD)とは

NMOSDは免疫系の異常によって、主に視神経や脳・脊髄に炎症が起こる自己免疫疾患です。​
その影響で、視野が欠ける・視界がぼやける、体や四肢がしびれる・痛む、まひするなどのさまざまな症状が表れます(詳細は後述)。日本の患者数は約6,500人とされています1) 。​
この病気は、再発しやすく、一度の再発で視力を失ったり、脊髄障害により車いすが必要になるほどの重い後遺症となることがあります2) 。そのため、再発を起こさないようにすることが重要で、生涯にわたって再発予防の治療を行う必要があります。​

1) 難病情報センター多発性硬化症/視神経脊髄炎(指定難病13)https://www.nanbyou.or.jp/entry/3806(2025年3月現在)​
2) 吉良潤一編著 神経内科Clinical Questions & Pearls 中枢脱髄性疾患. 中外医学社, 2018. p.325

発症の仕組み3)

神経細胞(ニューロン)に栄養や水を供給し、脳のバリアを強化する細胞であるアストロサイトには、アクアポリン4 (AQP4)という、水の出入りを調節する膜たんぱく質があり、水チャネルとも呼ばれます。なんらかの原因で、このAQP4に対する自己抗体(AQP4抗体)が作られ、それが視神経や脳・脊髄にあるアストロサイトを破壊してしまいます。アストロサイトのサポートを失った結果、神経細胞にも炎症が及び、髄鞘がはがれて情報伝達がうまくいかなくなったり(脱髄)、神経細胞が破壊されたりします。​

3) 医療情報科学研究所編 病気がみえる, vol.7 脳・神経 2版. メディックメディア, 2018. p.326

主な症状4)

炎症の生じる部分によって症状は異なり、多岐にわたります。​
初発症状としては視神経炎や脊髄炎が多いのですが、脳の特定部位の炎症として発症することもあります。​

① 視神経炎:急な視力低下、視野が欠ける、目がかすむ、見えにくい、ぼやける​

② 脊髄の炎症による症状

③ 脳内(延髄や視床下部)の炎症:しゃっくりが止まらない、吐き気、眠気​​

また、運動後の強い疲労(運動疲労)や活動に関係なく続く倦怠感、持続する強い神経性の痛みの他、ウートフ現象(運動や入浴にともなう体温上昇により一時的に視力や筋力が低下)を伴うこともあります。
​ さらに、他の自己免疫疾患(シェーグレン症候群、慢性甲状腺炎、全身性エリテマトーデス、重症筋無力症など)を合併することが多いという特徴があります5)

4) 吉良潤一編著 神経内科Clinical Questions & Pearls 中枢脱髄性疾患. 中外医学社, 2018. p.324-6​
5) 日本神経学会監修 多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023. 医学書院, 2023. p.7

治療について6)

NMOSDの治療には、発症・再発時の急性期治療(①)と、それに続く寛解期(慢性期)の再発予防治療(②)があります。
再発しやすい病気のため、急性期治療に続けて再発を防ぐ治療を行うことが最も重要です。

➀ 急性期治療

ステロイドパルス療法や血漿交換療法などで炎症を抑え、神経のダメージを最小限にします。​
通常、1~3ヵ月程度入院して治療を行います。

➁ 再発予防治療

急性期治療後(退院後)は、定期受診をしながら再発を防ぐ治療を続ける必要があります。​​
従来は、合成糖質副腎皮質ホルモン(ステロイド剤)や免疫抑制剤が用いられていましたが、近年、NMOSDの再発予防薬として複数の生物学的製剤が登場し、治療の選択肢が広がっています。​​
2023年に診療ガイドラインも改訂され、再発を安全に予防できる環境が整ってきています。 ​

治療薬はそれぞれ作用メカニズム、副作用、治療頻度などに特徴があり、症状はもちろん、ライフスタイルや価値観に合わせて治療を選択する必要があります。​
そのため、医師と相談しながら治療を決める「共同意思決定(SDM)」が大切になります。​​
治療薬の不安や副作用の管理、併用薬の確認、市販薬の使用についてなど、治療を続けるうえでの疑問や不安は、薬剤師にも気軽に相談できます。 ​

6) 日本神経学会監修 多発性硬化症・視神経脊髄炎スペクトラム障害診療ガイドライン2023. 医学書院, 2023. p.120-1, 150-3, 196-200​

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